富士フイルムホールディングス傘下の富士フイルム富山化学が、新型コロナウイルス感染症を対象にスタートさせた抗インフルエンザ薬「アビガン」(一般名ファビピラビル)の第3相臨床試験(企業治験)の詳細が明らかになった。第3相臨床試験は、重篤ではない肺炎を合併した新型コロナ感染症の患者を対象とし、新型または再興型インフルエンザウイルス感染症を対象に国内で承認されている用法・用量から、投与量を引き上げ、投与期間も長くする。
引用:日経バイオテク
着々と進んでいますね。臨床試験の登録症例数の目標は96症例だそうです。統計学に明るい人でないと、症例数の根拠は説明できないので割愛します。この症例数と臨床試験の参加条件を考えるとあっという間に登録は完了するでしょう。本記事では登録から解析まで6月末までには終了するだろうとのことですが、もっと早く済むかもしれませんね。
白木教授と共に『アビガン』を開発した富士フイルム富山化学は、新型コロナウイルス感染者への臨床試験を始めていて、早ければ7月以降に全国の医療機関で処方されるということです。
引用:MBS NEWS
さすがにすべての医療機関でアビガンの処方を始まるとは思えません。試験の期間が短く、また登録症例数も限られているので、投与された患者さんの経過を記録する必要があります。現状でもまれな疾患に投与される薬に関しては全例調査と言って投与されるすべての患者さんの経過を調査しています。臨床現場での患者数はかなりの数になると考えられるため全例調査とはならないと思いますが、処方できる病院が限定され、かつ最初の数百から千例ほどは帳さ対象になると予想します。
アビガンの安全性については以下のブログでアップしています。妊婦さんへの投与は禁止されると思われます。臨床での投与開始後に予想もしなかった副作用が発生するのは残念ながら珍しいことではありません。販売開始後しばらくは慎重に情報収集を行う必要があります。また収集した情報を速やかに現場に報告する義務が富士フィルムには課せられます。
安全性が確立した薬剤ではありません。投与しないで済むのであればそれに越したことはありません。油断過信することなく、感染予防に努めることの重要性はお話しするまでもないことです。
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