新型コロナ感染に対するカレトラ®の効果は?試験結果を確認!

新型コロナウイルス肺炎

米医学雑誌「ニューイングランドジャーナル」よりCOVID-19に対するカレトラ®の臨床試験の速報がありました。重症患者に対しての投与ですが、現状効果は認められていないとのことです(DOI: 10.1056/NEJMoa2001282)。試験の内容ですが、199名の新型コロナウイルス肺炎の確定診断を受けた患者を2群に分け、それぞれカレトラを投与する群と標準治療群とします。両群の経過を見るとそれぞれに変わりはないと判断されるデータです。試験に参加してから28日目の時点での死亡率、特定の時点でのウイルスの陽性率です。その他副作用も比較しています。

28日目の死亡率は、カレトラ群で19.2%・標準治療群で25.0%でカレトラ群のほうがやや良いように見えますが、臨床試験であらかじめ決めた統計上の解析では2群に差はないと判断されています。ウイルスの陽性率はほぼ同じでした。臨床的な回復を確認できた日数はカレトラ群で1日短かったのみです。副作用については、カレトラではよく認める消化器症状(悪心・嘔吐・胃痛)が認められ、13名が副作用のために治療継続を断念しています。

今回の試験の対象患者は、新型コロナウイルス肺炎の確定診断を受けた患者さんになり、重症化している患者さんです。そのためかやはり死亡率は一般に言われている割合よりも高くなっていますので、死亡率を見たときに驚かないでください。国によって死亡率に違いはありますが、中国で4%、イタリアで8%となっています。WHOの推定値は正しいかどうか現状分かりませんが、3.4%となっています。肺炎まで重症化すると危険であることはよくわかります。重症化しないためには、高濃度のウイルス暴露を避けることが必要と考えられていますので、もうしばらく自粛は続くのでしょう。

新型コロナウイルス感染症に対していち早く期待された薬剤でしたが、残念な結果に終わりました。今回の試験とは異なるデザインで試験をすれば効果はあるように見えるかもしれませんが、おそらく追加試験をするグループは出てこないのではないでしょうか?今はそれよりも違う薬で新規の方策を立てるほうが効率がいいと思います。現在日本で試験を行われている・もしくは予定の薬剤は、「シクレソニド」「ファビピラビル」「ナフォモスタット」「カモスタット」です。臨床所見に失敗はつきものですが、今はどれか一つでも効果が認めてくれることを願うばかりです。

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