レムデシビルの安全性は?エボラ出血熱の臨床試験の結果を確認!

新型コロナウイルス肺炎
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米製薬大手ギリアド・サイエンシズ<GILD.O>は26日、新型コロナウイルス感染症の治療薬として期待されている同社の抗ウイルス薬「レムデシビル」について、2件の後期臨床試験を開始したと明らかにした。

引用:ロイター

新型コロナウイルス感染症に対してのレムデシビルの効果はこれからですが、安全性については既にあるデータを参考にできます。レムデシビルはエボラ出血熱ウイルスの特効薬として世にあります。エボラ出血熱ウイルスに対しての臨床試験は既に行われており、データも開示されています。結果からいうと特に懸念すべき副作用は認められていません。

データは英国の医学雑誌「New England Journal of Medicine」で確認することができます。臨床試験は2018年11月から2019年8月にかけてコンゴ共和国にて行われました。参加した患者数は681名です。681名全てがレムデシビルを投与されたわけではなく、ZMappという抗体製剤、REGN-EB3という抗体製剤、MAb114という抗体製剤、そしてレムデシビルの四群にそれぞれ1:1:1:1に振り分けられ、効果と安全性を比較しています。エボラ出血熱ウイルスへの効果に関しては、MAb114とREGN-EB3が優れた結果を残しています。本題は安全性です。本試験はエボラ出血熱ウイルス感染者を対象にしております。有効な効果を得られた上記2剤においても30%程度の患者さんはお亡くなりになっており、全体では43%程度の患者さんがお亡くなりになっています。お亡くなりなる前に生じる様々な異常所見と副作用の区別が困難にはなっています。レムデシビル投与群175名中、1例で血圧の低下を認めています。しかしながら本患者さんについてはその後お亡くなりになっており、副作用か否かの判断は難しいです。

公表されている臨床試験の結果からは安全性には問題はなさそうです。ただ気をつける点が一つあります。臨床試験を実施したのがコンゴ共和国である点です。病院の設備が先進国とは全く異なります。日本のように週に何回も採血を行って肝臓や腎臓の検査を実施できる環境ではないでしょう。またエボラ出血熱が流行している中、軽微な異常を一つ一つ診察することはできないでしょう。臨床試験を実施するうえでは、大きな懸念はありませんが、先進国で十分に管理された臨床所見の結果がどう出るかをよく観察する必要があります。

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