新型肺炎の治療薬候補に「カレトラ」!どんな薬?副作用や値段は?

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(ブルームバーグ): 中国の保健当局は、世界で新型コロナウイルスによる肺炎の治療方法を見つける取り組みが行われている間の措置として、米バイオ医薬品会社アッヴィの抗HIV薬「カレトラ」を治療に使用する。北京市衛生健康委員会は26日、新型肺炎を発症した患者の治療計画に、ロピナビルとリトナビルの配合剤であるカレトラを含めたことを明らかにした。医学専門誌ランセットは24日、新型肺炎の治療でロピナビルとリトナビルを使った臨床試験が実施されていると伝えていた。

カレトラの成分であるリトナビルは、抗レトロウイルス効果を持つプロテアーゼ阻害薬の一つであり、HIVやC肝ウイルスの治療に使用されています。レトロウイルスとは遺伝物質としてRNAを感染細胞内で逆転写によって DNA を合成(通常はDNA→RNAの順で作成されるため”逆”という)するウイルスの総称です。コロナウイルスもRNAウイルスですので、リトナビルにも効果が期待できます。ロピナビルはリトナビルと相互に作用して血液の中の濃度を上昇し、さらに抗ウイルス作用を高める役目があります。カレトラの副作用は「下痢,嘔気,嘔吐,腹痛」といった腹部症状は主であり、重篤な副作用はまれとされています。

治療効果については中国で行われる試験の結果を待つしかありませんが、もし効果が認められれば全世界ですでに流通している薬剤ですので、希望は持てます。ただ感染の範囲によっては薬剤の製造が追いつかない可能性もあると思います。試験の結果が出次第アッヴィ社の対応に期待したいところです。

お値段ですが、HIVの治療用量では1日4錠を内服します。1錠は322円ですので、1日1300円くらいです。これで治るのであれば安いものです。引き続きワクチン製造診断検査に使用するキットの開発状況にも目を向けていきます。

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