ノシーボ効果の判定が日本では困難なワケ。どうすればいいの?

ワクチン
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こんにちは。

企業勤めの内科医ヒロスケです。

今回は「ノシーボ効果」についてお話しします。

ノシーボ効果って何?

コロナワクチンの副反応と思われている症状のいくつかは「ノシーボ効果」だという記事が話題になっています。

ノシーボ効果とは、偽薬による好ましい効果を意味する「プラセボ効果」の反対を意味します。

つまり偽薬による好ましくなく反応を「ノシーボ効果」と呼んでいます。

様々な議論が湧いているのは存じておりますが、実際に日本ではプラセボ効果・ノシーボ効果を判定するのが困難な理由があります。

ノシーボ効果・プラセボ効果を判別するには?

ノシーボ効果・プラセボ効果を判別する最も効果的な方法は、偽薬を対照群に設定すること。

実薬と偽薬の両者を比較して、生じたあらゆる有害事象(好ましくない症状)を解析すれば、判別は可能になります。

実際に多くの臨床試験では、偽薬を利用しています。

偽薬を利用しない場合は、標準治療が確立している場合ですね。

新薬と標準治療を比較して評価しています。

日本ではノシーボ効果を判定するのが困難な理由

日本ではコロナワクチンは現在政府が一括で買い上げて、国民に無料で提供されています。

日本を除く先進国では1回当たり2000円前後の料金が必要となります。

ワクチンの料金はそれほど高額という訳ではありません。

ただ先進国であっても、日本ほど病院へのアクセスが簡便な国はありません。

国民皆保険を備えていない国では、一旦入院しようものなら多額な請求が待っています。

そうなっては困ると我先にワクチン接種を希望する人が沢山います。

仮に2分の1の確率で、偽薬を投与される可能性がある臨床試験でも、ワクチン接種を前向きに検討する人はたくさん出てきます。

つまりお金が心配な人は積極的に臨床試験に参加します。

ちなみに臨床試験での有害事象に対する治療費は試験を実施した企業が肩代わりしますので、副反応の治療費についての心配もなくなります。

医療アクセスに対する信頼度や医療に対するコストの意識が日本とは決定的に違います。

この点は米国と日本では臨床試験の進行スピードに密接に関わっており、新薬申請のスピードにも関わってきます。

コロナワクチンのノシーボ効果をはっきりさせるにはどうすればいい?

ファイザー社、モデルナ社のワクチンに続き、AZ社・JJ社のワクチンも出てきています。

今後新規のワクチンを承認申請するには、標準治療としての上記のワクチンとの比較試験が必要になってきます。

比較試験が始まれば、ワクチンごとの特徴的な有害事象との因果関係は明らかになってくるでしょう。

来年、再来年には比較試験が出てくるのではないでしょうか?

ただし、標準治療が世に出ているためもう偽薬を対照とした試験は実施されません。

したがってワクチンに共通した有害事象との因果関係は闇の中です。

 

日本の皆保険制度は素晴らしいです。

その素晴らしい制度のために、得られないデータがあるのは仕方ないことでしょう。

足りないデータに対して上げ足をとっているワクチン否定派の皆さんは皆保険の恩恵をどう思っていますか?

 

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