3回目で違う種類のコロナワクチン接種って効果は?安全性は?

ワクチン
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こんにちは。

企業勤めの内科医ヒロスケです。

今回は「別種類のコロナワクチン接種について」です。

 

3回目のコロナワクチン接種が進んでいないワケの一つに3回目がファイザーのコミナティではなく、モデルナ(国内販売は武田薬品)のスパイクバックスになることに不安を感じている方が多いからではないでしょうか?

私の外来患者さんの中にも3回目にコミナティが打てないことを不安に感じているいる人が結構います。

1回目と2回目のワクチン接種の時には、政府は基本的に同一ワクチンの接種を指示しています。

しかし3回目はスパイクバックスでの接種を容認しています。

3回目だけスパイクバックスになることに不安はないのか?

現在確認出来る範囲でお答えします。

 

異なるワクチン接種における臨床成績は?

マスコミの情報を間に入れると要らぬバイアスが入るので、PubMed(医学論文のGoogleにようなもの)で直接検索しています。

世界中で異なるワクチンを接種した場合の効果と安全性を評価するための試験が実施されています。

その中でコミナティとスパイクバックスの2種を接種した臨床成績を評価した論文をピックアップしました。

Heterologous SARS-CoV-2 Booster Vaccinations – Preliminary Report

Preliminary (予備的)なレポートになるので、小規模な試験です。

原文を確認されたい方はこちら

試験ではJanssen社、Pfizer社、Moderna社のワクチンを接種した後に3回目として同一のワクチンを打った人と異なるワクチンを打った人を比較しています。

Pfizer社のワクチン x 2回の後にスパイクバックスを投与した症例登録は50例。

投与後12週までフォローしたうえで中和抗体と安全性を評価した限り、同一のワクチンを接種したグループとの差は認めなかったと結論しています。

異なるワクチンを接種したほうが効果が高いというデータも示されていません。

ただ如何せん50例という非常に少ない症例での解析であり、解析に対するパワー不足は否めません。

その他の臨床レポートについて

多くのレポートは初期二回の接種が中華ワクチン(シノバック)のパターンが多いです。

これはPfizer社やModerna社のワクチンを入手できなかった国が主に実践しています。

初回・二回目をシノバックを利用して、三回目にPfizer社もしくはModerna社のワクチンの輸入が出来たことから臨床成績を研究しているのです。

日本のように早期に主要2社のワクチン接種を初期投与できている国が稀であることの証拠のように感じました。

3回目のワクチンだけモデルナ社のワクチンでも大丈夫?

上記したように現在あるデータでは大丈夫とも大丈夫じゃないとも言えません。

ただ現実として世界の環境と比較すると比較的安全性情報が集積しているPfizer社とModerna社のワクチンを国民が受けるチャンスがあることは恵まれていると考えても良いと思います。

私は3回目の接種も済ませており、3回ともPfizer社のワクチンを接種しました。

妻は初期2回をModerna社のワクチンを接種し、3回目もModerna社のワクチンを予定しています。

データがない中で、身近に混合で接種する人がいないので軽率な発言はできません。

しかしながら、混合になることを否定する理由がない状況で、世界中では混合となる接種を受け入れている事実があります。

現代社会では薬剤の安全性情報は国境を越えています。

米国や欧州での重篤な副作用の発現はあっという間に日本に伝えられます。

その中で混合の接種を止める決定的な情報は認められていません。

少なくとも、親兄弟に

「3回目だけModerna社でも大丈夫かな?」

と相談を受けたら、

「大丈夫だと思うよ」

と、私は答えます。

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