医療機器や医薬品の卸との癒着や不祥事は中々無くなりませんね。
今度は医療機器メーカーと医師との癒着・不祥事が報告されています。
対象の診療科はどこなのでしょうか?
なぜこのような不祥事が起きたのでしょうか?
世界的な米系医療機器メーカー「グローバスメディカル」の日本法人(東京都千代田区)が、同法人の機器を購入した病院の医師側に売り上げの10%前後を戻していたことが朝日新聞の取材でわかった。同法人の内部資料によると、その額は少なくとも昨年1年間で二十数人に総額1億円超。医師本人ではなく、各医師や親族らが設立した会社に振り込み、キックバック(還流)していた形だ。
引用:朝日新聞
グローバスメディアルの提供先の診療科は?
グローバスメディカルは、
主に脊椎領域における医療機器を提供しているメーカーです。
脊椎領域ですので、整形外科ですね。
リベートを受け取っていた医師が20数人とのことですので、
開業医の先生による不祥事であると考えられます。
また各医師と親族へのキックバックとなると
一族で医療法人を経営している整形外科病院と
リハビリや老健などの医療法人と考えます。
医療機器の採用が、医薬品の採用と異なる理由
医療機器でも特に外科手術においては、
医薬品と異なり医師が好みで採用することが可能です。
医薬品であれば患者にも選択の権利がありますよね。
ジェネリックが良いとか先発品が良いとかです。
外科手術に利用する医療機器を
何を使用するかなど手術前に説明する医師はいないと思いますし、
患者さんも医師に任せるのが大半でしょう。
結局医師が使いやすい、使いたい機器を選択します。
このシステムにキックバックが入り込む余地があるのでしょう。
医療機器の値段ってどのようにして決まるの?
手術にかかる費用は中央社会保険医療協議会(中医協)で決められます。
手術にかかるコストは、
「技術料+特定保険医療材料費+薬剤料」
となっており、
医療機器は特定保健医療材料費に含まれます。
整形外科に限らず、腹部や胸部の手術でも同じですね。
ただ体内に何かしらの医療機器を埋め込む点では、
整形外科は他の領域と比較すると特殊と言えます。
医療機器にも採血用のシリンジや針から、
人工心臓弁といった特殊なものまであり、
それぞれの特殊性と用途によって値段のつけ方が異なり。
技術料に包括されるものもありますが、
グローバスメディカルの製品は、
技術料と別途医療機器の価格が設定できる
専門性の高い医療機器と言えるでしょう。
グローバスメディカルからキックバックが悪質であると言える理由
上述のように手術に利用した医療機器の使用料は
既に保険診療によって支払われています。
にもかかわらず、
医療機器の使用料金の一部のキックバックを受けているということは、
診療費の2重取りともいえる
非常に悪質性の高いものだと言えます。
今後の事件の詳細が操作されることとなりますが、
キックバックを受けた医師は
保険医の取り消しといった思い罰を受ける可能性も
十分にあり得る悪質性の高い事件だと言えます。
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