こんにちは。
企業勤めの内科医ヒロスケです。
今回は「医薬品卸談合」についてお話しします。
以前こんな事件がありました。
独立行政法人「地域医療機能推進機構」(JCHO、東京・港)発注の医薬品の入札を巡り、談合を繰り返した疑いが強まったとして、公正取引委員会は27日、医薬品卸大手4社の本社など関係先について独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で強制調査を始めた。検察当局への刑事告発を視野に調査を進める。強制調査の対象は、医薬品卸最大手のメディパルホールディングス(HD)傘下のメディセオ(東京・中央)、アルフレッサHD傘下のアルフレッサ(同・千代田)、スズケン(名古屋市)、東邦HD傘下の東邦薬品(東京・世田谷)。
引用:日本経済新聞
医薬品の卸の仕組み
そもそも医薬品の値段は保険診療で決まっています。
したがって患者さんは決まった値段で全国どこでも薬品を購入することが出来ます。
逆にいうと製薬企業も病院も収入は同じはず。
しかし薬の販売には製薬企業と病院の間に卸が存在します。
薬の卸業はどのようにして稼ぐのでしょう?
薬の末端価格は決まっていますので、患者に対しての値引き割引は存在しません。
卸売りの基本は製造販売業者からまとめて仕入れて、小売り業に販売します。
卸売業が儲かるためには製造販売業者から安く仕入れて、小売業に高く売る必要があります。
しかし薬品の販売はそんなに単純ではありません。
卸売業は製造販売業者(製薬企業)から仕入れた値段よりも安く小売業である処方箋薬局や院内処方を行っているクリニックや病院に販売しています。
つまり売れば売るほど卸は赤字になってしまいます。
それでは卸は商売としては成り立ちませんよね。
そこで卸は製造販売業者から薬局や病院に卸した量に応じてリベートやアローワンスといったお金が得られることになります。
ややこしいですよね。
医薬品談合が起きる理由
こういったややこしさが談合の原因になっていると思います。
談合によって可能な限り高い値段の卸値を設定し、かつ談合によって互いに一定のリベートを企業から得ることができるといった仕組みが生じたのです。
国としても平成30年度よりこういった健全とは思えない流通のシステムの改善を目指した対応を行っているようですが、これまでの慣習を覆すことになるため若干の混乱が生じています。
今回の談合は、医薬品の流通の煩雑さと改善に向けたシステムの変更に伴う混乱に乗じたものである可能性は十分になると思います。
上記4社の国内シェアは全体の8割です。
4社が共同するメリットがシェア率からも考えられます。
このシェア率を変えるためには新規の企業参入が待たれます。
おそらく、楽天やアマゾン等の参入は時間の問題でしょう。
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