新型コロナ患者の軽症・中等症向けの薬剤の開発が困難なワケ。

新型コロナウイルス肺炎
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改めまして、こんにちは。

企業勤めの内科医ヒロスケです。

今回は「新型コロナ患者の軽症・中等症向けの薬剤開発」についてです。

新型コロナウイルス感染症を5類感染症にダウングレードにする旨の決定が政府から発表されましたね。

この政府の決定には賛否両論あると思いますが、私個人的の意見としては5類でもいいんじゃない?というのが本音です。

理由についても記事のかなでも述べますが、まずは新型コロナ患者の軽症・中等症向けの薬剤開発について述べたいと思います。

新型コロナ患者の軽症・中等症向けの開発のむつかしさ

先日小野薬品工業が開発中だったフォイパンの軽症・中等症向けの試験で目標とした結果が得られなかったことを発表しました。

結果によるとフォイパン投与群77名とプラセボ投与群76名間の比較ではウイルスの陰性化までの時間に差が認められなかったとのことです。

両群のウイルス陰性化までの時間や重症化率などはプレスリリースでは公表されていないことから、詳細については今後学会や論文で発表されると考えられます。

ただそもそも新型コロナ感染者の重症化率は、厚労省のレポートによると1.0%~2.0%弱と言われています。

例えば、10人の重症者患者を5人に減らす薬を開発しようと計画します。

少なくとも重症者が10人は生じると予想できる症例数を登録する必要があり、またそれと同程度の人数をプラセボ群に登録する必要があります。

どんなに少なく見積もっても200人は登録する必要があるでしょう。

この200人という数字はあくまでも「例え」です。

統計学的に必要な症例数は計算する必要がありますが、無治療でもかなりの患者が軽快することを考えるともっと必要になる可能性もあります。

この無治療でも大半が改善するという事実が試験をデザインすることのむつかしさを示しています。

私が企業で携わっている新規薬剤の試験の対象疾患の大半は、無治療で回復する可能性は、ほぼゼロの疾患ばかりです。

回復の可能性のない疾患だとわずかな効果でも統計学的に高い効果に見せることが可能です。

こういった薬剤の開発デザインと比較すると、自然に回復する疾患に対する試験は非常にデザインが難しいことは予想できると思います。

そういった中で中等症に対しての承認に至ったカクテル抗体療法は非常に優れた薬剤であり、試験をデザインした担当者のセンスの良さは賞賛に値すると思います。

参考:抗体カクテル療法承認。その特徴は?何がこれまでと違うのか?

新型コロナ感染を5類に下げるメリットとは?

現在の診療体制化で2類感染症を扱うには、どうしても病院が限定されるのは既にお分かりのことだと思います。

私も新型コロナ感染者の診療は数人経験しています。

ただ私が非常勤で勤務している病院は指定病院ではないため、診断までが仕事になり、その後のフォローはできません。

フォローが出来ないのは2類だからです。

では、2類でなければどうでしょうか?

症状の程度に合わせて、明日もしくは2日後に経過観察のための再診をお勧めできます。

再診時に症状の増悪を認めている患者だけ率先して入院患者として扱えるようになります。

再診時に軽快傾向が見えないが、中等症までに至っていない症例にはデキサメサゾンを処方しても良いでしょう。

参考:デキサメタゾンの新型コロナ患者への投与量は?副作用は?

今の2類感染症の扱いは、専門病院での診察に限ってしまったために、診察を受ける機会を奪ってしまっています。

現在の重症化率は1%程度です。

中等症で速やかにデキサメサゾンを投与することで、重症化率をさらに下げることが出来ると思います。

病院でのクラスターの発生を危惧される方がいることは承知しています。

それであれば診察時間を完全に分けるような策を講じれば対応できるのではないでしょうか?

私は中等症を外来でしっかりコントロールすることで、重症者を減らせれるのではないかと考えるため、2類から5類へのダウングレードに賛成します。

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