新型コロナウイルス感染による肺炎患者に対しての気管内挿管に気管支鏡を利用することが多くなっていると聞きました。
経口による気管内挿管には、喉頭鏡による喉頭展開から声門を目視して行う方法と、気管支鏡による声門を確認しながら行う方法があります。
喉頭鏡を用いた挿管については以下の動画が分かりやすいです。
呼吸器内科を長くやっていると気管支鏡を扱う機会は多くあります。
主には肺がんや肺結核の診断のための検査なんですが、肺がんから出血(喀血)に伴う気道確保のための挿管時などは絶対に気管支鏡下挿管でないと、とても声門の確認はできません。
気管支鏡であれば、血液を吸引しながら実施が可能であるし、鼻からアプローチすれば一直線に声門に向かうことが出来ます。
何といっても患者の口から一定の距離を離して作業ができるため、返り血を浴びるリスクも少ないと言えます。
この返り血を浴びない距離が保てることが、新型コロナウイルスの院内感染を防ぐポイントになります。
上記動画での人形と医師の距離は比較的取れている方です。
肥満の患者などは声門がなかなか見えにくく、術者が口にもっと近づかないと見えないことは多々あります。
その点、気管支鏡ではどのような患者であっても一定の距離が取れるのです。
引用:QLIFE: https://www.qlife.jp/dictionary/exam/item/i_02100/
気管支鏡下挿管は、挿管チューブを気管支鏡を通しておいて、気管支鏡が気道内に入った段階で、挿管チューブを押し込めば完了となります。
これから新型コロナウイルス感染が2類から5類になるとの話も出てきています。
気管支鏡の扱いに習熟することが院内感染の予防につながります。
個人的には消化器内視鏡よりも簡単だと思いますので、すぐに使いこなせるようになると思います。
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