新型コロナ肺炎の切り札?ECMOの弱点・欠点は?

新型コロナウイルス肺炎
本記事内には広告・プロモーションが含まれます。

新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大により、国内でも陽性患者が増加し、一部の患者で重症肺炎に陥るケースが出てきている。有効な治療薬もないなかで、多くの人が、重症化、死亡に関する不安、恐怖を抱えている。しかし、東京都立多摩総合医療センター救命救急センター部長の清水敬樹医師は、「重症化した場合の集中治療として、体外式膜型人工肺(Extra Corporeal Membrane Oxygenation: ECMO)という装置の装着が救命のための最終的な切り札になる」と訴える。

引用:AERAdot

大半が重症化しないと言われている新型コロナ肺炎ですが、重症化した時のことを不安に感じることは不思議なことではありません。ECMOとはExtra-Corporeal Membrane Oxygenationの略称で、人工肺とポンプを用いることで、心臓や肺の代替になるものです。太いチューブを体内の結果に留置し、ECMOに血液を送り、肺の代わりに流入した血液の酸素化を行い、もう一本のチューブによって心臓の代わりに静脈から動脈へ血液を運び、体内に送血する装置です。この装置を使うことでダメージを負った肺の治療と回復への時間を稼ぐことが可能になります。

これだけを聞くと肺と心臓がなくても生きていけるような印象を得ますが、限界はあります。あくまでも肺と心臓の代わりをするだけですので、そのほかの臓器にダメージが生じた場合については救命することは困難です。実際に新型コロナ肺炎の死亡の原因は、肺炎による呼吸不全だけではなく、多臓器不全やDIC(播種性血管内凝固症候群)によってなくなる患者も含まれています。

これだけの装置ですので、当然管理には経験と知識が必要です。どこの病院でも出来ることではありません。当然管理には人手が必要であり、大量の重症患者を同時に管理することは不可能でしょう。また75歳以上の高齢者では、治療効果が期待できないことが知られています。太いチューブを血管内に留置する必要がありますので、動脈硬化で細くなってしまっていると難しいかもしれません。

とかくマスコミは医療技術に関しては良い面ばかりを見せたがりますが、完ぺきな治療も技術もありません。まずは、感染の拡大を予防することが我々が出来る最低最大の対策です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました