厚生労働省は29日までに、新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、電話などで持病の治療薬の処方箋発行を可能とする運用方針を自治体に通知した。風邪などの症状がない人が医療機関を受診するとかえって感染リスクが高まるため、通院回数を減らしてもらう狙い。
引用:日経新聞
この方針は、院内感染を防ぐことを目的としていますが、薬局での感染予防ができません。患者は処方箋をかかりつけの薬局にFAXで送付してもらい、その後患者自身が薬を受け取りに行きます。薬局での感染を予防しようと思うのであれば、郵便もしくは宅急便での薬剤の配達ですよね。また患者は診療費をいつ支払うのでしょうか?少数の心無い患者が支払いを踏み倒するようなことがあれば、このシステムは無に帰すことになります。
電話で診察となっていますが、どのタイミングで電話をすればよいのでしょうか?よっぽど人気のない病院もしくはタイミングが合わない限り、診察までの数十分は待たされますよね。長ければ半日もかかるような大病院もあります。そういった病院に通っている患者さんは誰にいつ電話をするのでしょう?自分の都合で電話をしたとしても、他の患者さんを診察していた場合にはかけなおしを要求されるでしょう。現実的には病院からの折り返しの電話を待つことになると思います。病院の待合室で待たされるよりは自宅で待つほうがマシかもしれませんが、電話の患者さんと来院の患者さんの優先順位を病院は考えざるを得ないでしょう。「電話で済む患者=安定しており急がない患者さん」となりますので、患者数の多い病院だと折り返しの電話は夕方になると思います。
皆さんは病院を受診した時の明細書は確認していますか?請求額だけ確認されている方がほとんどではないでしょうか?請求金額は初再診料や投薬料、検査料以外に指導料というものがあります。かかっている疾患によって金額が異なり、診察の上何ならの指導をもって徴収される料金になります。電話診察の場合にこちらの指導料がどのようになるのかは厚労省からは明示されていません。直に通知が各病院に配布されると思いますが、今現在では不明なところの多い方針です。各病院・クリニックが電話診療を導入するのか?どのような形にするのか?、また適応される患者さんの条件はどのようなものなのか?など、まずは主治医に確認されることをお勧めいたします。
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