敗血症から多臓器不全に移行するワケは?進行を防ぐ治療とは?

敗血症
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敗血症とは、血液中に細菌が侵入した菌血症が進行した状態

菌血症では発熱などの感染症症状はメインとなるが

敗血症となると炎症の影響により臓器障害が生じます。

敗血症~多臓器不全に至る流れについてお話します。

またその状態を防ぐために何が行われているかについても

お話したいと思います。

 

敗血症で臓器障害が生じるワケ

人の血液には細菌が繁殖するための

栄養が豊富に存在しています。

そんな血液中に細菌が侵入したのが菌血症です。

菌血症となったのちに増殖した細菌が全身の臓器に侵入します。

肝臓や腎臓、心臓などですね。

増殖した細菌が臓器を攻撃するのと同時に

増殖した細菌を退治するために免疫細胞が働きます。

実はこの免疫細胞の働きも臓器にダメージを与えます。

 

敗血症の診断は?治療は?

敗血症が細菌によるものであることは

ご理解いただけたと思います。

従って診断は発熱等の感染症状があり

血液検査で臓器障害(肺・肝・腎)を認める事

から診断に至ります。

比較的簡便な診断基準にquick SOFAスコア

というものがあります。

  • 感染症もしくは感染症の疑い
  • 意識レベルに問題あり
  • 呼吸数が増加(22回/分以上)
  • 収縮期血圧が100mmHg未満

 

治療については感染症のコントロールのために

抗生剤を投与することは想像に難くないと思います。

しかし抗生剤の投与だけでは治療は上手くいきません。

例えば敗血症により生じている臓器の保護も行います。

また血圧が低い状態であれば点滴と昇圧剤も必要です。

点滴や昇圧剤で循環動態が改善するのであれば

ステロイドは不要とされています。

ただ循環動態が不安定な患者さんにはステロイドは必要です。

ステロイドは免疫抑制剤であり

一見すると感染症には不向きな印象がありますが

自己の免疫細胞が臓器への障害の原因となっているので

適度な活動レベルまで免疫状態を抑制してあげることは

大切な治療と言えます。

 

敗血症から多臓器不全に移行するワケ

敗血症の診断を得ると上記のような治療を

集中治療室で行うことが多いです。

それでも抗生剤の効果がないと進行します。

敗血症が進行すると臓器障害も重度となります。

その結果臓器不全を発症します。

肺・肝・腎のいづれか一つでも重度の障害が生じると

同一生体内の話ですから他臓器にも影響が及びます。

結果多臓器不全に移行してしまいます。

 

多臓器不全に移行するのを予防するには

循環動態が安定している敗血症患者に

ステロイドを投与することで

多臓器不全を予防できるかを検証した試験があります。

残念ながらステロイドの投与群と非投与群では差がありませんでした。

やはり多臓器不全の予防には早めの処置と

臓器機能を維持するための治療を行うこと

くらいしか現状はないと考えます。

 

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