糖尿病、高脂血症、高血圧、喫煙を贅沢病と考える人の間違い。

新型コロナウイルス肺炎
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新型コロナウイルス感染の重篤化の危険因子として、糖尿病・高脂血症・高血圧・喫煙があります。これらの4つの因子を我々医師は「死の四重奏」と呼びます。これらの因子は心筋梗塞や脳梗塞と言った血管にまつわる疾患のリスクと関係があり、4つとも重なると非常に高リスクとなります。実際に急性心筋梗塞や脳梗塞で緊急搬送される患者さんの問診をすると以上の4つを併せ持った患者さんが大多数です。

新型コロナウイルス感染の重篤化には血栓症が関わっていることが知られています。上記4つの危険因子を持つ患者さんが重篤化する理由はよくわかります。

参考:コロナ後遺症ってなぜ起きるの?どんな症状があるの?

 

糖尿病・高脂血症・高血圧・喫煙の危険因子を持つ人を贅沢な金持ちだ、と感じる人がたくさんいますが、実は大きな誤りです。その理由について今回は述べたいと思います。

糖尿病と貧富の差

国際糖尿病連合の糖尿病アトラスによると糖尿病患者の75%は低所得・中所得の国に集中していると発表されています。国内でも千葉大学のグループが65歳以上の高齢者1万人を対象にした調査で、所得が低いほどに糖尿病の発病リスクが増すことを報告しています。高所得の高齢者と低所得の高齢者を比較すると、男性では1.16倍、女性では1.43倍のリスクが増すとしています。このデータから糖尿病が贅沢病ではないことが分かります。

 

喫煙と所得

タバコは今やひと箱500円の高額商品です。1日に1箱20本を吸っている人は、ひと月で1万5千円の出費です。さぞお金に余裕のある方が吸っているのだろうという印象になりますが、世帯所得が増せば喫煙率が下がるというデータがあります。厚生労働省が2010年に実施した国民健康・栄養調査によると世帯収入が200万未満では喫煙率は男性が37.3%、女性が11.7%、200万~600万でそれぞれ33.6%、8.8%、600万以上で27.0%、6.4%でした。

生活習慣病と貧富の差

生活習慣と貧富の差は食事に出ます。炭水化物を多く含む高カロリーの食品は安く、低カロリーのヘルシー食品は高いというのは、ファーストフードを例にとるとよくわかります。

野菜をたくさんとる習慣をもつ家庭は高所得層にあたる場合が多いのも分かります。高脂血症と高血圧に関しても生活習慣に大きくかかわっており、食生活の乱れが原因となっている場合が多く認められます。また人間ドックを受けることができる環境なども所得格差がありますよね。

 

貧富の格差と新型コロナウイルス感染

新型コロナウイルス感染拡大は所得の格差を助長しています。リモートが可能な仕事とそうでない仕事、職場などは格差を助長します。そして新型コロナ感染によって重篤化する人は低所得の人である可能性も高いと言えます。貧富の格差が健康格差につながっていることは、コロナ禍の日本において大きな問題であると言えます。

 

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