蓄膿症の症状「咳が止まらない」は見落とされがち。

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蓄膿症(副鼻腔炎)の症状の一つに「咳が止まらない」というものがあります。この「咳が止まらない」という症状から、蓄膿症の診断につなげることが難しいことがあります。十分な治療を受けることなく、長い間放置している方もいますので注意してください。

1.蓄膿症で咳が止まらない理由は?

分かりやすいのは、鼻水がのどに落ち込んで咳が出ると症状です。ただこの場合には患者さんは「咳が止まらない」とは言わず、「痰が止まらない」と訴える場合が大半です。その場合には鼻炎の症状につなげやすく、蓄膿症の診断に至るのは簡単です。なかなか診断に至らないタイプは、乾いた咳が続くといった症状を訴える患者さんです。上述のように蓄膿症の咳は、痰混じりの咳であると思い込んでいる方が結構います。実は蓄膿症でも乾いた咳が続くことは珍しくありません。副鼻腔の炎症がのどにも波及し、咳が止まらない状況になります。

2.「咳が止まらない」蓄膿症患者の特徴

大半の患者さんは、4月下旬~5月上旬、9月下旬~10月上旬に来院されます。ピンときた方もいらっしゃるかと思います。そうです、大半は春の花粉症、秋の花粉症をもっている患者さんです。自分が花粉症であることに気づいていない、もしくは気づいているが十分な治療を受けていない患者さんです。この時期に「咳が止まらない」と訴える患者さんを診ると必ず蓄膿症を疑います。鼻炎の症状はないか?鼻詰まりはないか?などを確認し、該当すると蓄膿症の治療を優先します。

3.「咳が止まらない」蓄膿症患者の検査

「咳が止まらない」を訴えてきた患者さんは、基本的にすべての患者さんで胸部レントゲンを確認します。肺がんや肺結核は見落としてはいけない疾患だからです。それらの疾患が否定できれば、その上で問診を丁寧に行い蓄膿症を疑います。血液検査は熱の出方次第で採るかどうかを決めますが、私は採らないほうが多いです。蓄膿症に特徴的な血液データはないのであまり意味はないと思ってます。蓄膿症を強く疑えば、蓄膿症の治療を行います。

4.「咳が止まらない」蓄膿症患者の治療方法

まず蓄膿症は副鼻腔に膿(うみ)がたまっている状態ですので、膿を出さなければなりません。去痰剤の処方です。また膿がたまる原因は、細菌感染が大半です。最近には多くの種類がありますが、肺炎球菌とインフルエンザ菌が大半です。これらの菌を狙って抗生剤を処方します。膿が無くなって、細菌をやっつけても、また膿がたまったら意味がないので、症状が完全になくなるまでは鼻炎の薬として抗ヒスタミン薬の処方をします。場合によってはロイコトリエン拮抗剤も追加します。

5.蓄膿症の治療に効果が認められない時は

内科での投薬治療で改善しない時は耳鼻咽喉科を受診しましょう。効果が認めない患者さんの中には鼻茸を持っている人もいます。また原因菌が真菌(カビ)である場合もあります。なかなか治らない蓄膿症は専門家である耳鼻咽喉科医の治療を受けたほうが良いと考えます。

新型コロナウイルス感染拡大のために、咳をすることが非常に心苦しい世の中です。咳が1週間を超えて続くときには市販の咳止めでなく、病院を受診しましょう。咳止めだけで自然に治らない咳もあります。無理はしないようお気を付けください。

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