多発性筋炎の症状って何が起きるのか?医師が疑うポイントは?

膠原病
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高畑充希さん主演の「にじいろカルテ」が話題ですね。

特に話題になっているのは、主人公が

「多発性筋炎」という難病を有していること。

 

多発性筋炎は国の難病指定に分類されており、

国内での罹患者数は18000人程度とされています。

私は呼吸器内科医として本疾患の進行した状態である

間質性肺炎を生じている症例を見ることがあります。

発症初期の症例を見る機会はほとんどないのですが、

こういった症状を有する患者さんを診ると

必ず多発性筋炎を疑う、というポイントがあります。

多発性筋炎ってどんな病気?

多発性筋炎とは、膠原病の一種です。

膠原病とは、関節リウマチや全身性エリテマトーデスといった

自己免疫にかかわる疾患を指します。

自己免疫がどの臓器を攻撃するのか?

によって疾患が分類されており。

多発性筋炎はその名の通りに筋肉が攻撃を受けます。

多発性筋炎の症状は?

多発性筋炎は筋肉に障害が生じます。

従って筋肉痛と筋力低下が生じます。

特に筋力低下が特徴的な疾患です。

特に多発性筋炎の筋力低下は

近位筋での筋力低下が特徴です。

近位筋とは体幹に近い筋肉を指します。

近位筋の筋力低下が特徴ですので、

遠位筋である手指の筋力は保持されています。

 

近位筋の筋力低下で特徴的なのは

仰向けになっている状態から

首が持ち上がらないことです。

起き上がるためには一旦横向きになります。

腕の力を利用しないと起き上がれなくなります。

近位筋の筋力低下を来す疾患は?

近位筋の筋力低下を来す疾患がいくつかあります。

代表的な疾患として

と言った疾患があります。

その他に純粋に寝たりで筋力低下している場合もあります、

しかし、近位筋の筋力低下を来す疾患として

上記4つを押さえておく必要があります。

 

多発性筋炎を疑うポイント

まずはギランバレー症候群を否定しましょう。

ギランバレー症候群の大半は

症状が出現する前にウイルス感染症が先行します。

発症の1か月以内に風邪やウイルス性胃腸炎になっていた場合

ギランバレー症候群を疑います。

 

イートン・ランバート症候群は肺癌に合併して生じます。

従って近位筋の筋力低下を来す症例を見た場合には

全例で胸部レントゲン+胸部CTは確認します。

ここで肺癌を認めればイートン・ランバート症候群を疑います。

 

多発筋炎とALSは症状では鑑別が付きません。

多発筋炎では特徴的な自己免疫抗体を認める場合があります。

自己免疫抗体を認めれば診断となります。

しかし自己免疫抗体は全症例で認めるわけではないので、

その場合には神経内科専門医による診察が必要になります。

多くの場合、筋肉生検が必要になります。

 

多発筋炎は根治は不可能であり、

筋力低下を来すことから生活にも大きな影響があります。

「にじいろカルテ」の今後がどう展開していくのか

中々興味深いドラマであると思います。

 

健康な内にご自身の保険の見直しを

イザとなってからでは遅いのでご検討を

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