こんにちは。
企業勤めの内科医ヒロスケです。
今回は「ALS」についてお話しします。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)ってどんな疾患?
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は筋肉が萎縮(細くなり)し、筋力が低下する神経変性疾患呼ばれる疾患群に分類される疾患です。
残念ながら治癒のための有効な治療法は確立されていません。
有名人ではホーキンス博士や人気声優の津久井教生なども自身がALSであることを報告しています。
疾患の啓発活動のために過去にはCMに患者さんが出演したこともありました。
私自身の経験ではALSの診断に至った患者さんが肺炎になったときに治療を行ったことはあります。
またALSを鑑別診断に挙げる必要ある疾患の治療や検査は、いくつも経験したことがあります。
ALSを疑う症状は?
実際にどんな患者さんを診たときにALSを疑うのか?
といいますと、やはり筋力低下です。
特に大腿や上腕、頸部の筋力低下です。
私が研修医の時に神経内科を教えてくれた師匠が教えてくれたことです。
ベッドから起き上がるのに仰向けのまま体を起こすことができず、必ず一旦寝返りを打ち、うつ伏せの体勢を取らないといけない患者さんを診たら鑑別診断にALSを入れなさいと言われました。
実際ALSの方は首が上がりません。
肘をついて体を起こすことも困難です。
未だに筋力低下を主訴に来院した患者さんを診る時にはベッドで体を起こす動作をさせています。
「三つ子の魂百まで」ですね。
ALSの治療方法は?
上述しましたが、残念ながら治癒をもたらす治療方法は確立していません。
ALSに限らず神経変性疾患に分類される疾患のほとんどが根治が期待できるものではありません。
現状最も期待できる治療方法はiPS細胞を利用した治療になるのでしょうか?
ただ未だ実験段階です。
ALSは日本にはおよそ1万人の患者さんがいます。
少しでも早く医療の発展の恩恵が得られる日が来ることを祈っております。
ALSに期待の新薬?ボスチニブって?
ボスチニブは慢性骨髄性白血病に対して使用される薬剤です。
慢性骨髄性白血病はBCR/ABLという異常な遺伝子が原因で発症する白血病です。
ボスチニブはこの異常な遺伝子の働きを抑制することで慢性骨髄性白血病に対して効果を得ます。
ボスチニブが効果を認めると考えられた理由は、iPS細胞にて作成したALSの異常神経細胞に効果を認めたことがきっかけです。
ボスチニブの何がALSに効果を示しているのでしょうか?
論文を探して分かったら追記しますね。
iPS細胞は直接にも間接にも治療開発のスピードを亢進させますね。
人間ドックも最低限の検査であれば自宅での検査が可能な時代です。
コロナ禍で健診受診が出来ていない方は「おうちでドック」のご利用をお勧めいたします。
今回は「おうちでドック」についてです。
コメント