ムーコル症とは?治療は?どういった人が感染のリスクがある?

感染症
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ムーコル症がインドで多発しているという

ニュースを目にしました。

新型コロナウイルス感染に対して使用した

デキサメタゾンの影響か?とのことですが、

どういった疾患なのかご説明いたします。

 

ムーコル症とは?

教科書によりますが、

ムコール症と記載されていることのほうが多いと思います。

これ以降ムコール症と記載させていただきます。

 

ムコール症は糸状真菌であるムーコル目(Mucorales)に分類される

真菌による感染症です。

治療が遅れると非常に予後が悪い疾患です。

日常診療ではめったにお目にかかりません。

 

抗がん剤よる化学療法中の患者さん

リウマチ等の膠原病のため長期にステロイドを使用している患者さん

非常にコントロールが不良な糖尿病患者さん

などに発症することがあります。

 

ムコール症を疑う時

ムコール症に限らず真菌感染を疑う場合は

基本的に患者さんの免疫状態が低下している場合です。

上記したような患者さんで感染症を見た時には

真菌感染症を疑い検査を実施します。

真菌感染の検査は?

培養検査

顕微鏡的確認

血液検査における真菌感染のマーカー

・βDグルカン

・アスペルギルス抗原

ムコール症が厄介な理由

ムコール症はβDグルカンが陽性になりません。

感染症に詳しくない医師だと

βDグルカンが陰性であった段階で真菌感染を否定してしまう

そんな医師がいることは否定できません。

そのリスクを防ぐためには

培養検査と顕微鏡観察が重要となります。

 

ムコール症の症状は?

ムコール症の感染巣は、肺と副鼻腔です。

 

肺ムコール症とは?

肺ムコール症の症状は肺炎と同様です。

肺ムコール症に関しては胸部CTで特徴があります。

ムコール症と肺アスペルギルス症の所見は似通っていますので

気管支鏡検査による精密検査を躊躇なく実施することが必要です。

 

ムコール副鼻腔炎とは?

一般的な副鼻腔炎の症状を同様です。

鼻閉、粘い汚い鼻汁、頭痛、発熱といった症状です。

肺炎とは違い画像所見では特徴はありません。

免疫状態の悪い症例では鼻汁の培養がポイントでしょう。

副鼻腔の洗浄を行う時に洗浄液の培養を提出することも

忘れずに行いたいですね。

ムコール症を生じるリスクのある人は?

上述したように代表は

 

抗がん剤よる化学療法中の患者さん

リウマチ等の膠原病のため長期にステロイドを使用している患者さん

非常にコントロールが不良な糖尿病患者さん

 

です。

新型コロナウイルス感染の治療に使用するデキサメタゾンについてですが、

デキサメタゾンを1日1回6mg(経口または静脈内注射)、10日間の投与です。

通常ムコール症が生じるほどの免疫抑制状態になるには

3週間程度ある一定以上のステロイドを投与されている時に生じると

医学的には言われています。

処方医の指示に従い10日に限って投与されていれば

ムコール症を意識する必要はありません。

 

ムコール症の治療は?

治療は可能な限りムコール真菌を除去します。

従って記事にありましたが

眼球に真菌感染が及んでいる場合には眼球の摘出もあり得ます。

抗真菌薬はよく使用されるアゾール系、キャンディン系が無効です。

アンホテリシンB、ポサコナゾールが効果があるとされています。

インドでムコール症が多発している理由は

現在解明中とのことです。

上述しましたようにデキサメタゾンは正しく使えば

それほどムコール症のリスクとはならないと考えます。

あまり神経質にならないことをお勧めします。

ただ糖尿病のコントロールができていない人は

注意が必要だとは思います。

 

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