慢性疲労症候群とは?疑うポイントは?何科を受診すればいい?

慢性疲労症候群
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慢性疲労症候群という疾患をご存知ですか?まだまだ知られていない疾患であり、医師でも知らないこともあります。慢性疲労性症候群の特徴は、ある日を境に突然強烈な全身のひどい疲労感に襲われ、動けなくなり寝込んでしまう病気です。「慢性」と疾患名についており、全身の疲労感は半年以上続き、治療効果を得るにも2~3年の期間を必要とします。

1.慢性疲労症候群って、どんな症状が出るの?

上述しましたように、突然生じる回復しない疲労感が特徴ですが、そのほかにも様々な症状があります。感冒様症状(微熱、咽頭痛、頭痛など)、筋肉痛、睡眠障害、うつ症状などが認められます。個人的な診断のポイントは、筋肉痛です。数人の患者を診てきたにすぎませんが、起床時から続く筋肉痛が特徴的に感じています。

2.慢性疲労症候群って、血液検査でわかるの?

感冒様症状が出現することから、感染症を疑い炎症反応などの血液検査を確認しますが、ほぼ異常なありません。その他、甲状腺ホルモン等のホルモン検査でも異常は認めないことが大半です。逆にこういった検査で異常所見を認めた場合には、慢性疲労症候群は否定的と言っても良いでしょう。

3.慢性疲労症候群って、どうやって診断するの?

まずは感染症や臓器の異常がないかを確認します。あらゆる検査を実施しても異常所見が認められなく、諸症状が慢性疲労症候群と合致した場合に、慢性疲労症候群の診断となります。以下が診断基準です。①②③が必須症状で、④もしくは⑤を併発していると診断となります。

大クライテリアの2項目を満たすことが必須であり、小クライテリアとして症状クライテリアの8項目を満たすか、症状クライテリア6項目と身体所見クライテリア2項目を満たす必要がある。

A.大クライテリア(大基準)
1.生活が著しく損なわれるような強い疲労を主症状とし、少なくとも6ヶ月以上の期間持続ないし再発を繰り返す(50%以上の期間認められること)。
2.病歴、身体所見.検査所見で臓器疾患を除外する。
B.小クライテリア(小基準)
ア)症状クライテリア(症状基準)
(以下の症状が6カ月以上にわたり持続または繰り返し生ずること)
1. 微熱(腋窩温37.2~38.3℃)ないし悪寒
2. 咽頭痛
3. 頚部あるいは腋窩リンパ節の腫張
4. 原因不明の筋力低下
5. 筋肉痛ないし不快感
6. 軽い労作後に24時間以上続く全身倦怠感
7. 頭痛
8. 腫脹や発赤を伴わない移動性関節痛
9. 精神神経症状(いずれか1つ以上)
羞明、一過性暗点、物忘れ、易刺激性、錯乱、思考力低下、集中力低下、抑うつ
10. 睡眠障害(過眠、不眠)
11. 発症時、主たる症状が数時間から数日の間に発現
イ)身体所見クライテリア(身体所見基準)(2回以上、医師が確認)
1. 微熱、2. 非浸出性咽頭炎、3. リンパ節の腫大(頚部、腋窩リンパ節)

厚生労働省ホームページより抜粋

上記症状に合致すると思われたら、慢性疲労症候群を疑ってください。

4.慢性疲労症候群って、何科を受診すればいいの?

まずは内科を受診してください。どうしても臓器疾患の有無のチェックをする必要があります。全身の検査を行うには内科です。ただ一言で内科と言っても、様々な内科があります。消化器内科、循環器内科、呼吸器内科などなど・・・。残念ながら慢性疲労症候群を専門に対応する専門内科は大学病院のような特別な病院以外はありません。臓器疾患の有無を確認してもらっても診断に至らないときには、慢性疲労症候群を考えている旨を知らせて、専門医に紹介していただいても良いでしょう。

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