月曜日の朝は毎週憂鬱です。週末にゆっくりと朝寝坊するためか、月曜の朝は何時にもまして子供は起きてきません。
「起きなさい!早く起きないと遅刻するよ!、ご飯食べる時間が無くなるよ!」
毎週子供を起こすだけでぐったりします。
そんなご家庭はうちだけではないと思います。
私自身は、昔から朝が得意で、目覚まし時計よりも先に目が覚める人間だったので、朝起きれない人の気持ちが理解できませんでした。
でも、どうしても朝起きることのできない「起立性調節障害」について学ぶと、起きれないことを疾患として理解できるようになりました。
起立性障害は、小学校高学年から中学校の思春期の子どもに多く認められます。朝なかなか起きられない状態が続き、症状の改善が認められなく、そして周囲の理解が進まないと不登校につながることも稀ではありません。
もしご自身が朝がどうしても起きれない、子供が起きれないといったお悩みをお持ちなら、ご一読ください。
起立性調節障害の原因は?
原因として、自律神経の機能の低下が挙げられます。自律神経の機能が低下することで、血管の収縮がうまくいかず、立ち上がり時には本来血管は収縮して、血圧を上げるようにコントロールされるはずが、その収縮がうまくいかないために、脳に十分な血液を送り込めずに立ち眩みが起きるといった障害です。
起立性調節障害の症状は?
立ち上がるなどの体位の変更時に血管収縮がうまくいかず、立ち眩みを生じます。ひどい時には失神する人もいます。また下半身の血液が心臓に戻ってこないため、動悸を打つこともあります。その他朝起床時に、副交感神経優位の状態から交感神経優位の状態に変換することが困難なため、なかなか起きれないという症状が出ます。
起立性調節障害の検査は?
まずは、貧血などの有無を確認します。その他心臓の機能や甲状腺ホルモンのチェックなども同時に行います。それらに異常所見を認めなかったときに、起立性調節障害を疑うわけですが、検査として体位変化に伴う血圧の変化を確認します。外来で簡単に行うならベッドに横になってもらって血圧を測り、そののち立位で血圧を測ります。両者に大きな差が生じていれば、起立性調節障害ということになります。意外と簡単な検査です。家に血圧計がある方は、自分でも確認できます。一つ気を付け中ればいけないのは、血圧を測る位置・高さです。できるだけ心臓の高さをキープしてください。
起立性調節障害の治療は?
まずお伝えしなければならないことは、起立性調節障害は疾患です。自分の意思でどうにかなるものではありません。決して「怠け」ではありません。その上で治療を行いましょう。
血圧の低下が症状出現の原因なので、昇圧剤を使用するのですが、基本的には失神するようなレベルの重症患者さんにのみ使用されます。したがって、軽い立ち眩み、朝起きれないといった症状だけでは薬剤の処方は良い適応とは考えられません。こういった患者さんには、まずは水分を意識していつもより多めにとってもらうように指導しています。ほとんどの患者さんは、水分摂取が足りません。夏場でも500ml程度しかとっていない人も良く見ます。一日1500ml~2000mlを食事以外で摂取する必要があります。また塩分摂取も意識してもらいます。目安は1日10gです。朝のお味噌汁を飲み切ることは、朝からの活動を上げるには効果的です。
食事に関しては、大人が減塩に意識が向きすぎて、結果子供にとっては塩分が足りないという状況も十分にあり得ます。ふりかけなんかはうまく使いたいですね。またうちの子はお茶漬けが好きなので、水分と塩分が取れるので、朝は味噌汁とお茶漬けという組み合わせが多いです。
体の筋肉を付けることも重要です。特に下半身の筋肉をつけることは、下半身の血液を心臓に戻す力を得るためにも重要です。1日30分以上のウォッチやスクワットは効果的と言われています。
食生活から改善する例はたくさん見てきました。お悩みの方はまずは近所の小児科や内科で相談してみてください。決して珍しい疾患ではないので、相談に乗ってくれますよ。
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