気胸と肺がんって関係するの?発症のメカニズムは?

呼吸器疾患

肺がん患者さんに気胸が生じる頻度は非常に稀であり、肺癌の経過観察中に気胸をケアをすることは私は経験がありません。レポートによって若干の差はありますが、概ね1%未満と報告されています。ただ気胸の精査の過程で、肺癌の診断に至った症例というのは、レポートによって頻度は様々ではありますが、0.3%~4.4%と報告されています。肺がんがあることと気胸が生じることに何の関連があるのでしょうか?

1.肺癌から気胸が生じるメカニズム

肺の末梢側に肺癌が発生した場合には、肺癌は胸膜に向かって広がろうとします。広がる過程で肺に穴(気管支胸膜瘻)が開くことが考えられます。また気胸はブラに穴が開くことで発症しますので、ブラの壁に肺癌が発症すると壁がもろく破れやすくなることも原因として考えられます。その他には、肺癌によってつぶれた肺を代償するために、他の部位が過膨張となり、破裂することも考えられます。

肺尖部ブラのCT画像

2.気胸を起こしうる病変部位に肺癌は発生しやすい

昔からブラ傍には肺癌が発症しやすいといいます。肺のう胞(ブラ)の壁は正常の肺胞上人は異なるためか肺がんが発生しやすいのです。そういった意味からも肺がんと気胸には関係があると言っても良いでしょう。

3.気胸を生じた人は毎年胸部CTを撮影したほうが良い?

気胸を生じた時には、必ず胸部CTを撮影して、どこが気胸の原因となったのかを確認します。その中でブラを認めた場合には、少なくとも1年に一回は健康診断で構わないので胸部レントゲンを撮影するように指示します。ブラの壁が厚くなっている部位があったり、不整である所見を認めた場合には胸部CTを定期的に撮影します。このあたりの機微は呼吸器内科医でないとむつかしいと思われます。気胸後のフォローは呼吸器内科に見てもらうことをお勧めします。

4.ブラ以外が原因となる肺癌関連の気胸は?

だいぶん専門的な話になってきます。ブラを持つ方は珍しくありません。人間ドックの胸部レントゲンを読影していると必ず何人かは認めます。そういった方は年に1回の人間ドックをお勧めしています。もう一つブラが破けること以外に肺癌が発生しやすい肺の病気があります。特発性肺線維症(IPF)という疾患です。IPFの患者さんの5~30%に肺癌を合併し、その相対リスクは7~14倍とされています。このIPFと気胸の関係ですが、IPFは肺が固く縮んでくる疾患です。

引用:Hansell DM, et al. Fleischner Society: glossary of terms for thoracic imaging. Radiology. 2008 Mar;246(3):697-722. 

固くなるということは、柔軟性を失うためもろくなるということです。もろくなるため咳などの刺激だけでも気胸になることがあります。IPFは難病疾患であり、現代医療では根治不可能な疾患の一つです。気胸とも肺癌とも関連する非常に予後が悪い疾患です。

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