医療用のポータブル酸素濃縮装置って何時間くらい使用できる?

新型コロナウイルス肺炎
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新型コロナウイルス感染拡大に伴う自宅療養の適応が拡大してます。

よっぽどの呼吸困難感が強くないと入院させてもらえない

一説にはSpO2が90%を切らないと入院は駄目だと言われた人もいるとか

 

そんな状況に目を付けたのが、転売ヤーの方々。

なんと登山用の酸素ボンベを買い占めしている?

普段慢性呼吸不全の在宅酸素をしている患者さんの診察をしている私からすると

あんなちっちゃな酸素ボンベでどれくらいの効果があるの?

って感じてしまいます。

 

在宅酸素で24時間酸素を必要とする患者さんは外出する時には携帯用酸素ボンベをもって出かけています。

以下のようなボンベをもって歩いている方を見たことがあると思います。

引用:TEIJIN Medical web ホームページ

こういった携帯酸素ボンベで実際にどの程度の酸素をどの程度継続使用できるのかをお伝えいたします。

携帯酸素ボンベの使用時間は?

在宅酸素を必要とする慢性呼吸不全の患者さんが必要とする酸素の量は、肺炎で治療している患者さんよりもかなり少なめです。

1分当たり0.5L~3.0L程度です。

参考:COPD患者の酸素投与における注意点とは?目安はあるのか?

医療用の酸素ボンベ2.0Lを1L/分で連続吸入した場合、使用可能時間は9時間弱です。

引用:株式会社アディックホームページ

ちなみに肺炎が原因で呼吸困難に陥った場合、酸素の流量は3.0L程度使用することも稀ではありません。

また使用時間は数日使用することを想定します。

したがって医療用のポータブル酸素ボンベであっても、肺炎による呼吸困難に対処する目的で使用するのは不適と言えます。

登山用の酸素ボンベを購入することに意味はない

医療用の大きな酸素ボンベであっても肺炎治療には適さないことがご理解いただけたと思います。

入院先を見つけることが困難になっている現状では、どうすればよいか?をお伝えするのは難しいのが正直なところです。

私個人の意見としては、呼吸困難感を伴う前段階でのデキサメタゾンの利用とワクチン接種がポイントだと考えます。

デキサメサゾンの使用が重症化を防ぐことは既にデータが示しています。

参考:デキサメタゾンの新型コロナ患者への投与量は?副作用は?

医師会なり専門部会なりがデキサメタゾンの使用について方針を決めてくれないでしょうか?

また製薬企業も既に増産体制に入っていると思いますが、足らなくならないようにあらかじめ対応をお願いしたい。

自粛だけでは対応しきれなくなっているのは明らかでしょう。

治療に関しても一歩踏み出した対応が必要だと思います。

 

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