子宮頸癌ワクチンの副作用って、欧米ではどうとらえているの?

婦人科疾患

子宮頸がんの原因が、ヒトパピローマウイルスの感染によって起こることは既に多くの方がご存じかと思います。そしてすでにヒトパピローマウイルスに対してのワクチンがあることもご存じかと思います。同ワクチン接種は公費補助があるため、小学校6年生から高校1年生相当の女子は無料で接種することができます。

公費により無料で摂取できるにも関わらず、近年は接種率が非常に低下しています。1994年~1999年生まれの女性の接種率は70%を超えているものの、2000年生まれ以降は1%未満となっています。理由はある女性に発生したワクチン接種後の有害事象です。ここでは副作用ではなく、有害事象とあえて言っています。有害事象とは、薬との因果関係は問いません。薬剤投与後に発生したあらゆる不利益な症状を総じて有害事象と言います。

ワクチンの有害事象と副作用について

ワクチンは薬剤と異なり、健常人に投与するために、有害事象の一つ一つを非常に慎重に評価します。先日コロナウイルスワクチンの治験で生じた有害事象でも治験が中断しましたね。

参照:横断性脊髄炎って何?アストラゼネカのワクチン開発中断。再開は?

ワクチンによる有害事象は様々です。代表的なのは注射部位が腫れるなども有害事象です。ただ時間とともに自然に改善するような事象はそれほど気にすることはありません。特に注射を打った直後に気分が悪くなるといった症状は、採血を行うだけでも失神する方もいます。

では、どういった事象は注意するべきなのでしょうか?やはり後遺症が残る事象です。ギランバレー症候群や急性散在性脳脊髄炎などが有名です。こういった事象は、残念ながらインフルエンザの予防接種でも発症します。風疹・麻疹のワクチンであるMRワクチンでも発症します。

では、なぜヒトパピローマウイルスワクチンだけ気になるのでしょうか?

ヒトパピローマウイルスワクチンの副作用の欧米における評価

欧米社会では、日本より統計学的な考え方が自然に身についているような印象があります。欧米と共同で臨床試験を行っていても、そのあたりの考え方の差を埋めるのに苦労することは珍しいことではありません。一例の重篤な副作用を欧米では1000人の中の一つの副作用としてとらえることがよくあります。プライベートでは個を重視する欧米でも、臨床試験では途端に集団の割合を重視するのはとても興味深いです。ワクチンの副作用は何億と投与されてもほぼ認められていません。何億分の1で生じる事象を、ワクチンと因果関係があると断定するのには統計学的な考えでは無理があります。

なぜ日本人はワクチンの副作用を気にするか?

「ノイジーマイノリティ」という言葉をご存じでしょうか?こと反ワクチン運動を行っている団体は、まさにこのノイジーマイノリティです。

参考:ノイジーマイノリティって何?どんな人?見抜くコツ・ポイントは?

どうも日本人はノイジーマイノリティに引っ張られる傾向があります。ノイジーマイノリティは人の不安に付け込むのうまいので仕方ない面もあります。ただ医学は科学です。古くからのデータの蓄積と新たな科学データを融合することで発展してきました。反ワクチン運動が非科学的であることは、多くの論文で実証済みです。

ヒトパピローマウイルスによる子宮頸がんは若い女性がなる疾患です。ワクチンを投与することで20歳代の子宮頸がんの90%が予防できると言われています。ベネフィット・リスクバランスを考える限り投与することを推奨いたします。

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