新型コロナ感染で麻酔科医いない!?富山県中・市民病院どうする?

新型コロナウイルス肺炎
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県立中央病院と富山市民病院という県都の中核的な医療機関の内部で判明した新型コロナウイルスの感染。二つの病院のトップはそれぞれ、60代男性医師と50代女性看護師が感染した事態を受け、9日夜の緊急記者会見で頭を下げた。「県民、市民に対して申し訳ない」。60代医師は県が警戒を強める中、送別会に出席していたことも明らかになった。

引用:北日本新聞

この60代の医師は麻酔科医です。その影響で全ての麻酔科医が濃厚接触者となり現在自宅待機しているため、今後の手術の予定が総崩れになっています。3月~4月は医師も人事の季節です。ある程度の年齢の医師は医局の人事が適応されるため、この時期は移動に伴い送別会はよく行われています。現状を考えると送別会は控えるべきでしたね。県立中央病院と富山市民病院は今後2週間は種々血ができなくなります。もちろん麻酔科医を必要としない比較的な簡単な手術は可能でしょうが、心臓外科の手術など非常に高度な麻酔技術が必要な手術は不可能です。

がん診療連携拠点病院として高度で専門的な手術を中心とした癌治療のみならず、基幹・中核病院として悪性疾患以外の消化器・一般外科手術も数多く行っています。平成28年度の総手術件数は1,108件、そのうち全身麻酔手術が1,062件、 緊急手術が206件でした。約6割が悪性疾患に対する手術で、疾患別には食道癌が年間29例、胃癌が143例、大腸癌 が233例、肝胆膵領域癌が88例、乳癌が173例です。

引用:富山県立中央病院ホームページ

上記ががんの手術についての記載ですが、総手術数から2週間の手術中止を考えるとおおよそ42件~43件の手術が中止されたことになります。42人から43人の手術予定の患者さんが待ちぼうけを食らうということです。もちろん予定が変わる患者さんはその後も続くので100人を超えるかもしれません。未だ経験したことのない感染症の拡大という状況です。ちょっとした油断、ちょっとした気のゆるみが予想以上の人に影響を及ぼすことになります。こんな崖っぷちの状況は今まで経験したことがありません。

富山県立中央病院も富山市民病院も富山大学病院麻酔科の関連病院の一つです。おそらく大学病院からの援助を受けることで何とか正常診療を取り戻すものと思います。こういった時に弊害があるといわれた医局の力が明らかになるのは、これまで医局を蔑ろにしてきた国の政策にとっては嫌味に感じるでしょうね。個々の病院の連携は実は医局が担ってきた事実をもう一度再評価される可能性もあります。

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