マイクロプラスチックを分解する微生物!?実用化の目途は?

環境問題
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マイクロプラスチック問題が環境に深刻な問題の一つであることは間違いありません。そのため、マイクロプラステックの原因となるレジ袋の使用の抑制策などが始まっているのですが、今現在自然界に存在するマイクロプラスチックを減らすための研究も同時に進行しています。その中で興味深いのが自然界にはマイクロプラスチックを分解する生物が存在するという点でしょう。こういった生物を利活用することで自然界の汚染を元に戻すチャンスがあるのでしょうか?

1.マイクロプラスチックを分解する微生物ってどんな生物?

世界中の大学や研究施設でマイクロプラスチック削減のための微生物の研究がなされています。そのうちのいくつかをピックアップしました。

研究施設名
日本・京都工芸繊維大学 イデオネラ・サカイエンシス
ユヴァスキュラ大学、ヘルシンキ大学 腐植質(植物が微生物によって分解された最終生成物)の湖に由来する微生物
カナダ・ブランドン大学 ワックスワーム

2.マイクロプラスチックを分解する微生物の実用化の目途は立っている?

イデオネラ・サカイエンシスがマイクロプラスチックの分解メカニズムの解明をたくさんの研究所が取り組んでおり、すでに二つの酵素の存在が明らかになっています。一つは「PETase」と呼ばれる酵素であり、もう一つの酵素「MHETase」と呼ばれる酵素です。ただまだマイクロプラスチックを効率よく分解させるための条件など不明な点も多く、実用化の目途は立っていないのが現実です。また、酵素の解明が進んでも実際に自然界に存在するマイクロプラスチックをどうやって分解するか?などと課題は多いと思います。まずはゴミの削減に尽力するのが、一番現実的な対策なんだと思います。

3.まだまだマイクロプラスチックを分解する微生物は存在するの?

スペインとアメリカのチームが行った研究によると、海に浮かぶプラスチックごみが光分解などの影響で経年変化しているスピードが物理的な影響を超えていると指摘しており、その点で微生物の影響が疑われます。また、オランダの研究チームによると、年ごとに流出しているプラスチックごみと比較すると海を漂流するプラスチックごみが想定より増えていない理由は、生物学的な反応でしか説明がつかないと指摘しています。未だ我々が知らない微生物は地球上で100万種以上存在すると言われていますので、マイクロプラスチックを分解する微生物はこれからも発見される予想します。

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