ブルセラ菌感染症の症状と治療方法.致死率は?予防法は?

細菌
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中国でワクチンの製造工場でブルセラ菌の漏洩による感染者が3000人にも及んでいると話題になっています。ブルセラ菌感染症の症状と治療、そしてその致死性について調べました。

中国内陸部の甘粛省で去年、「ブルセラ症」の動物用のワクチンを製造する工場から菌が漏れ出し、住民など6000人以上が感染していたことが分かりました。地元当局は当初、感染者はおよそ200人と発表していましたが、ことしになって報道をきっかけにより多くの感染者を把握していたことを認め、当局の隠蔽体質に批判が高まっています。

引用:NHK

ブルセラ菌感染症の症状は?

症状の重たるものは発熱です。その他には倦怠感や関節痛、筋肉痛、悪寒、発汗といったインフルエンザとよく似た症状があげられます。ブルセラ菌感染症とインフルエンザウイルス感染症の違いは、ブルセラ菌感染症の筋肉痛、関節痛は腰背部がメインになります。明かに異なるのは発熱が生じる期間です。1週間程度で完治するインフルエンザウイルス感染と異なり、ブルセラ菌感染症は数週間にわたって発熱が続きます。厄介なのは、良くなる時期を挟んで、しばらくするとまた発熱を認める「波状熱」と呼ばれる経過を認めることがあります。診断に手間取ると仙腸骨炎、肺炎などに進展し、時に中枢神経障害を生じることもあります。男性では精巣炎や副精巣炎を認めることもあります。

ブルセラ菌感染症の致死率は?

未治療であれば、約5%の方がお亡くなりになると言われています。原因には心内膜炎に進展することがあるからです。

ブルセラ菌感染症の診断のためには?

通常の感染症と比べて潜伏期間が1~3週間と幅があります。したがって重要な情報は、海外渡航歴ですね。行先で流行っている感染症を調べて、ブルセラ菌感染症の流行を認めた場合に初めてブルセラ菌感染症を疑うことになります。ブルセラ菌感染症は家畜から伝播しますが、日本では1970年を最後に家畜からのブルセラ菌の分離は認めていません。したがって日本で生活している限りは心配のない感染症とも言えます。

ブルセラ菌感染症の治療方針は?治るの?

ブルセラ菌に対しては、ドキシサイクリンにゲンタマイシン、もしくはリファンピシンを加えた2剤が標準治療です。場合によっては、上記3剤を組み合わせた治療が選択されることもあります。無治療での致死率が5%ですので、早めに診断をつけて治療を行えば、治癒可能な疾患と言えます。

ブルセラ菌に対するワクチンってあるの?予防は?

家畜用ワクチンは実用化されていますが、ヒトに対してのワクチンはありません。予防については、ブルセラ菌感染症が流行する国に旅行する時には、現地で食べるものは適切な加熱処理された乳・乳製品を選ぶことが大切です。国内における予防策は、行政が対策を進めています。検査陽性の動物の場合には殺処分されます。家畜の群に新たに動物を導入する前には必ず検査を実施し流行を防ぐようにしています。

通常のブルセラ菌感染症は、新型コロナウイルスと違って対策の取りようがあります。しかし、中国が遺伝子を変異させた新たなブルセラ菌を作っているとしたら、治療効果を認めないかもしれません。厄介なことをしてくれる国ですね。

 

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