日本学術会議の会員候補者の任命拒否について、多くの学会から声明が出てるというニュースを見ました。
菅義偉首相が日本学術会議の新会員候補者6人の任命を拒否した問題で、日本地球惑星科学連合、日本史学会連合など国内95学会は政府から理由を示されずに任命されなかったことを憂慮するとした緊急声明を発表した。
引用:大学ジャーナル On Line
このニュースだけ見ると、多くの科学者が首相の対応を非難しているように見えるのですが、声明を出した学会を見ると同一人物が会員をしているであろう学会が沢山あります。
会員が重複しているであろう学会の例
大学ジャーナルには、声明を出した学会の一覧が添付されています。おそらく重複して会員が多く含まれているであろう学会が散見されます。専門家に言わせると「いや、全然違うぞ!!」っておしかりを受けるかもしれませんが、素人目には同じことをしてるんじゃない?、もしくは、重複している分野があるんじゃない?って感じる学会です。
- 地理科学学会・日本地理学会・日本地図学会・日本地形学連合
- 日本気象学会・日本農業気象学会
- 日本動物学会・日本鳥学会・日本動物分類学会
- 日本植物学会・日本植物分類学会
などなど。それぞれの学会員が全く異なっていることは絶対にありませんよね。
同じような学会が重複しているワケは?
残念ながら医学系の学会でも、同じようなことをしている学会はあります。また一部重複している学会もあります。全てを否定する気はありません。例えば、私は内科医ですが、内科学会といくつかの専門学会に参加しており、いくつかの専門医も持っています。ただ規模が小さい学会は参加していません。しかしながら、一見規模の小さい学会であっても、学会の会長職を目指す医師・教授がいるのも事実です。医学に限らず、他の分野に関しても、同様なんだと思います。会長職欲しさに、または権力争い・勢力争いのための学会はあります。
同じような学会が複数あるデメリットは?
やはり、優秀な学者が一堂に集合して、切磋琢磨することに学会の存在意義があります。その優秀な学者が一堂に集まる機会を失っている可能性があります。ただでさえ日本の基礎科学分野の世界からの遅れを指摘されている昨今です。この機会に仕分けして、科学の発展に寄与できる学会だけにしてもらいたいですね。少なくとも、医学系の学会は、日本専門医機構によって仕分けをされました。価値のある学会専門医とそうでない学会専門医とです。医学以外でも同様なことが生じることを期待しています。
「学問の自由が失われる?」。なんて声が聞こえてきますが、科学の発展、人類の幸せに貢献しない学問なんて、必要ないでしょう。科学者は、何のために学問をしているのか、謙虚に考える必要があると近頃感じます。
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