ミュンヒハウゼン症候群患者との接し方と治療法。鑑別診断は?

代理ミュンヒハウゼン症候群
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ミュンヒハウゼン症候群患者は、

病気を装い、他人から心配されることで

精神的な安定を得る患者のこと。

一旦手に入れた精神的な安定も

すぐに失い、同じことを繰り返します。

装う病気が重症であるほど

他人の心配の度合いも大きくなり

そして得られる精神的な安定感も強くなります。

従って、症状はエスカレートしていきます。

 

 

ミュンヒハウゼン症候群の診断はどうするの?

この疾患は診断に苦慮します。

医療従事者は、患者の症状を疑いません。

つらいと言えばつらいのです。

痛いと言えば痛いのです。

従って症状に合わせてあれこれ検査を行います。

検査を行っても異常値が認めないと

さらに検査を繰り返します。

 

繰り返す検査に全く異常を認めない

もしくは、症状に一貫性がないとなると

精神的な障害を疑います。

そこで精神科に紹介し、診断となることがあります。

 

ただミュンヒハウゼン症候群患者の中には

検査値に異常所見を認めることがあります。

例えば何かしらの薬物を内服している場合です。

その患者さんが、他の病院を受診し

何かしらの薬の処方を受けていても

患者さんかその家族が申告しないと

医師は知る由もありません。

 

訴える症状と検査異常に関連があると

真相はどんどん闇の中に陥っていきます。

 

ただやはりどこかで矛盾が生じます。

その矛盾を見つけることができれば

ミュンヒハウゼン症候群の診断に至ります。

 

ちなみに診断基準は以下になります。

 

A.身体的または心理的な徴候または症状のねつ造,または外傷または疾病の意図的な誘発で、確認されたごまかしと関連している.

B.自分自身が病気,障害,または外傷を負っていると周囲に示す.

C.明らかな外的報酬がない場合でも,ごまかしの行動が確かである.

D.その行動は,妄想性障害または他の精神病性障害のような他の精神疾患ではうまく説明できない.

 

出典:日本精神神経学会/監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』(医学書院,2014)

 

ミュンヒハウゼン症候群患者との接し方と治療法

矛盾を見抜き、ミュンヒハウゼン症候群の診断に至っても

その事実を患者に悟られてはいけません。

ミュンヒハウゼン症候群患者は賢い方が多く

事実を見破られたと気づくと

病院に来なくなり、

他の病院で同じことを繰り返します。

 

それとなく症状の一つ一つから

精神科やカウンセラーが必要なことを

説明します。

 

本人に「ミュンヒハウゼン症候群」と

伝えるのはなかなか困難ですから、

まずは家族に説明して、

精神医学的治療を進めていくという手順です。

 

治療については、

残念ながら確立したものはありません。

 

自分を傷つけてしまう、

自分に同情してもらいたい

もっと気をかけてもらいたい

 

何が原因でそういった深層心理が存在するのか

その原因をカウンセリングの中で

探索していくしかないでしょう。

 

中には自分が「ミュンヒハウゼン症候群」かも?

と疑える人もいます。

そういった人には、精神科受診を勧めてあげましょう。

そして同時に自己肯定感を延ばすよう話しかけてください。

以下の記事にあるサブリミナルCDは

自己肯定感を向上させ、

自分を傷つけることなく

自分を満足させる方法が得られます。

 

参考:自信の付け方には、サブリミナル効果が有効。自信のない人へ。

 

ミュンヒハウゼン症候群の鑑別診断は?

よく詐病・仮病と同じように考える人がいますが、

詐病は自身の具体的な利益を求めて行っています。

例えば「仕事を休みたい」「賠償金を得る」

と、言ったところです。

「ミュンヒハウゼン症候群」の目的は

人からの関心による精神的な安定です。

境界型パーソナリティ障害とも鑑別になります。

境界型パーソナリティ障害の患者さんは

孤独を極度に恐れます。

誰かに見捨てられそうになると

死に物狂いに何かに向かい

時には自殺の素振りまで行います。

 

「ミュンヒハウゼン症候群」との鑑別ポイントは

症状の目的ですね。

 

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