科研費って聞いた頃がありますか?
科研費とは科学研究費助成事業の略称です。
日本の研究者に資金を提供することで
研究の発展に貢献するための事業です。
事業主は、文科省とその外郭団体である
独立行政法人日本学術振興会です。
ちなみに名前はよく似ていますが、
日本学術会議とは全く異なった団体です。
参考:日本学術会議って何?会員のメリットは?学問の自由との関係?
科研費の審査方法は?
一次審査と二次審査に分かれてます。
一次審査は書類審査、
二次審査は審査員の合議によってなされます。
一次審査のポイントは?
申請書に点数をつけて決めます。
最高が5点、最低が1点です。
審査は複数人で行います。
また審査員個人のばらつきについても
統計処理により偏りを避ける工夫がされています。
評価基準には
- 研究課題の学術的重要性・妥当性
- 研究計画・方法の妥当性
- 研究課題の独創性および革新性
- 研究課題の波及効果および普遍性
- 研究遂行能力および研究環境の適切性
などの5項目で4段階の評点を付けます。
詳しくは、「科研費獲得の方法とコツ」でご確認ください。
二次審査のポイントは?
審査員が日本学術振興会本部で合議します。
一次審査の点数をもとに議論します。
合議の結果、採択を決めます。
基本的には一次審査の上位80%くらいは自然と採択されます。
その上で下位20%の当落線上の申請課題を合議します。
とはいうものの、
一次審査の結果がそのまま反映されることが大半です。
科研費の審査員ってどんな人?
科研費の審査は、同領域のエキスパートが行います。
従ってその分野における実績を有した研究者がなります。
日本学術会議とは違い、人づての推薦では決まりません。
各学会、協会から情報を収集したり
科研費に採択されたことのある研究者だったりを
データベースで管理します。
そのデータベースをもとに審査員が選ばれます。
任期は3年です。
審査員は公開されています。
Webで閲覧可能です。
参考:日本学術振興会ホームページ(https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/01_seido/03_shinsa/shinsa_meibo/30.html)
科研費の審査員になるメリットは?
個人的なメリットはほとんどないですね。
科研費の審査員になっても名誉が得られるわけでありません。
報酬に関しても
5000円+審査件数による増額
という少額な報酬です。
一つの申請書類を目を通すのにどれだけ時間が必要か?
を考えるとあまり良い時給とは言えませんし、
その道のプロに依頼するにはちょっとお粗末な報酬です。
ほとんどの審査員の方は、
日本の研究の発展のために
ボランティア精神を持って対応されています。
人の科研費の申請書を読んで
その文体や書きぶりを
次の自分の申請書の参考にできる
ってのはあるかもしれませんが、
既に科研費に通した経験のある
研究者からすると学ぶこともないでしょう。
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