こんにちは。
製薬企業医師のヒロスケです。
今回は「不安障害」についてです。
不安障害には、多くの症状があります。
米国精神医学会のDSM-IV-TRによると
- パニック障害
- 恐怖症
- 強迫障害
- PTSD(外傷後ストレス障害)
- 急性ストレス障害
- 全般性不安障害
- 一般身体疾患による不安障害
- 物質誘発性不安障害
- 特定不能の不安障害
と、分類されます。
不安障害は、精神疾患の中で、不安になることを主な症状とした疾患の総称です。
特徴的な不安症状を呈するもの、トラウマ体験が原因のもの、身体的な病気やある物質が原因のもの
様々です。
最も有名なものは、「パニック障害」です。
パニック障害は、不安が典型的な形で発症します。
不安障害の原因は何?
不安障害の原因については、未だ研究中であり、十分に解明はされていません。
身体的・心理的・社会的要因が複雑に絡み合い、様々な度合いで関わっています。
近年の研究では、脳内神経伝達物質系が関係した脳機能異常といった認識もされるようになってきました。
不安障害の不安はどこが違うの?
不安とは、1種の恐れの感情です。
誰でもなれない環境にいると経験します。
しかし、不安障害の不安は、はっきりした理由がなかったり、理由があったとしても、不釣り合いな極端な不安を感じます。
そして、同様な症状を繰り返し、ずっと続きます。
例えばパニック障害を例にとりましょう。
パニック障害の特徴は「予期しない発作」です。
つまり、前触れなく突然不安に陥ります。
突然、激しい動悸・胸苦しさ・めまいといった身体症状を伴い、
不安に襲われます。
心臓発作化と思い、死への恐怖を感じます。
救急車を呼ぶと、病院に行くまでに症状は治まります。
もちろん検査では異常は認めません。
不安障害の治療方法は?
不安障害の治療は、薬物療法と精神療法に分けられます
不安障害の薬物治療は?
よく利用されるのは、「セルシン」です。
参考:セルシンの効果発現時間と効果持続時間は?内服は何時がいい?
セルシンと同様に良く使用されるのは、SSRIと呼ばれる薬の種類です。
セルシンと比較すると即効性がありません。
従って、毎日決まった時間に内服します。
つまり予防薬という役割です。
セルシンよりも副作用がなく一般内科医でも使用しやすい薬です。
1点気を付けないといけないのは、突然休薬するとリバウンド効果で、症状が増悪します。
参考:SSRIでセロトニンを増やすことがあがり症に効くのはナゼ?
不安障害の精神療法は?
パニック障害には、精神療法が効果があります。
その効果は、薬物療法と同等とも言います。
精神療法には、暴露療法と認知療法といった治療方法があります。
暴露療法とは?
暴露療法は、パニックになるであろう環境に少しづつ慣れる訓練です。
不安の度合いを100段階ほどに細かくして、少しづつ上ることで成功体験として積み上げていきます。
認知療法とは?
不安の予兆に対して、自分自身に
「いつものこと、大丈夫」
と、声をかけることで不安に陥る“クセ”を認知し、改善させます。
不安障害は自分で克服できる?
極端な不安障害については専門医による治療が必要です。
ただ治療が必要な人もいれば、自分で何とか出来る人もいます。
不安をマネジメントする方法を身につければ、克服することは可能でしょう。
これまで述べてきたように、不安障害は、潜在意識によるところが大きい疾患と言えます。
潜在意識に呼びかける方法を自分で身につけることで、不安障害を改善することが可能になります。
・私の人生はあらゆる面で良くなっていること
・私はありのままの自分が好きだということ
・私は自分自身を信じているということ
の、3点を自分に声掛けをし続けることで暗示することが有用と言われています。。
これは、エミール・クーエというフランスの精神科医が確立した暗示療法・自律訓練法をもとにしています。
以下の記事を参考にしてください。
参考:エミール・クーエの法則で、きっといいことがある!の根拠は?
不安障害を根本的に治すには、自分自身が「何とかなる」と信じれるようになるかどうかです。
「何とかなる」を信じるためには、成功できている自分をイメージすることが重要です。
どうしても成功している自分をイメージできない人は、深層心理で自己イメージをネガティブなものとしてとらえています。
深層心理にあるネガティブな自己イメージを改善するのは、努力では困難です。
こういった場合に欧米では催眠療法を利用します。
催眠療法は決して難しいモノではありません。
以下の記事にまとめていますので、参考にしてください。
参考:無意識にある自己イメージを改善したい!催眠療法が効くワケ。
あなたが今感じている生きづらさが
改善して、生き生きと生活できるようになることを
心よりお祈りしております。
太田比呂介
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