胃がんの中でも発見が困難で、
気付いた時には手遅れと言われる
「スキルス胃がん」
初期症状や早期発見には何が必要なのでしょうか?
スキルス胃がんとは?
大半の胃がんは胃の粘膜に発症します。
- ポリープ様に粘膜から突起したような胃がん
- 潰瘍のように粘膜に掘り込みができるような胃がん
- 突起病変の先端が掘りこまれた胃がん
こういった胃がんを早期に発見するためには
胃カメラや胃透視(バリウム検査)を定期的に
行うことで発見が可能です。
しかしながら、スキルス胃がんは
胃の粘膜の下で発達する胃がんです。
発展すると胃の壁が硬く、厚くなります。
したがって胃カメラや胃透視では
表面上病変は認めません。
またスキルス胃がんの進展は
胃の内部に向かわずに外部に向かいます。
つまり、腹膜や肝臓等の多臓器に向かいます。
結果として発見時には腹膜播種(腹膜への転移)
や近隣臓器への転移を認め
手術が不可能になり、根治が困難となります。
ただでさえ進行の早い未分化癌に分類されるスキルス胃がん
が発見が困難なので、非常に予後の悪い疾患となるのです。
スキルス胃がんの初期症状は?
一般的に紹介されている症状として
- 食欲不振
- 体重減少
- 胸やけ
- 消化不良
と言った症状が挙げられます。
進行すると吐血や下血など
がん病変からの出血を認めます。
出血を認める段階では手遅れです。
ですので、比較的症状が軽度の段階で
胃カメラを受けることをお勧めします。
スキルス胃がんは胃カメラで見つかるの?
胃カメラにおけるスキルス胃がんの所見は
かつては胃の拡張度しか分からないと言われてましたが、
近年は以下のような特徴も指摘されています。
- 胃粘膜に凹んだ小さな癌が初期には認める
- 胃粘膜のひだが肥厚している
- 胃のふくらみが悪い
上記のようなスキルス胃がんを疑う所見を認めた場合には
胃透視による胃が膨らみ辛い所見を確認します。
そののちCTやMRIの検査を追加していきます。
スキルス胃がんは胃の粘膜の表面には出てこないことが
多いので、必ずしも胃カメラでの生検では診断には至りません。
スキルス胃がんの早期発見のためには?
40歳以上の方は年に1回は胃カメラをしましょう。
胃粘膜の異常などが全く正常であれば
2年に1回程度でも問題はないと考えます。
胃カメラがどうしても苦手な方は
胃カメラと胃透視の検査を
交互にするのもいいですね。
検診を受けても発見できないかもしれません。
しかし検診をしない限り早期の発見は不可能です。
胃カメラと言われると非常におびえる人がいます。
おびえて力が入っているから辛くなるのです。
力を抜いてゆっくり呼吸をすることに集中してください。
するほうもされるほうもテクニックがあります。
される側が上手だとするほうも楽です。
ぜひ「まな板の上のコイ」のごとくリラックスして
胃カメラを受けてください。
スキルス胃がんの診断は?
胃カメラでの診断が困難なため
結局は手術が必要となります。
近年は腹腔鏡下手術が発展しているため、
まずは腹腔鏡下で胃壁の生検を行い
確定診断を得たのちに手術に入る
という手順で診断→治療が行われます。
スキルス胃がんの治療は?
手術が可能である限りは手術です。
手術が困難な場合には化学療法となります。
化学療法とは抗がん剤ですね。
近年の免疫チェックポイント阻害剤の効果についても
今のところはまだ不明です。
やはり早期発見からの手術というのが
最も期待できる治療方法と言えます。
人間ドックを有効利用しましょう。
人間ドックを定期的に受診していますか?
どんな病気でも早期発見・早期治療が基本です。
特にスキル胃がんのように初期症状が出にくい疾患であれば猶更です。
なかなか病院に行く時間が取れない方は
自宅で簡単に検査が可能なキット
「おうちでドック」
をお勧めいたします。
検査で異常を指摘されたら保険診療で追加検査が可能です。
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