新型コロナウイルスワクチンに関連した副反応で
迷走神経反射について質問をうけることがあるので
記事にしようと思います。
迷走神経とは?
迷走神経は脳にある代表的な神経12対の中の10番目の神経です。
副交感神経を司る神経です。
副交感神経は、主に人間がリラックスしているときに働く神経です。
代表は夜の寝ている時間です。
寝ているときは体の力が抜けており、血圧も下がっています。
リラックスしたいときには副交感神経を高めればよいとも言います。
迷走神経反射とは?
迷走神経反射の中で主に問題となるのは
「血管迷走神経反射」です。
血管迷走神経反射は何かしらのストレスにより、
血管の迷走神経が優位の状態ができます。
上述したように迷走神経が優位となると
血圧が下降し、脈が低下します。
そのために脳に行くはずの血液が確保できなくなります。
血管迷走神経反射の症状は?
頭に血流が行かないために意識が朦朧としたり
ひどい場合には失神します。
時にはけいれんのような動きを伴うこともあります。
失神するほどの血流低下でなければ
めまい、ふらふら感、異常発汗、視界がぼやける
あくびが出る、頭痛、吐き気などが生じます。
血管迷走神経反射の対処方法は?
症状の原因が血圧の低下と徐脈ですから
足を上げて横になって安静にしておくだけで
改善する人が大半です。
意識消失の時間は30秒~5分程度と言われています。
5分以上かかるようであれば点滴をしたうえで
頭部や心臓の精査が必要になります。
血管迷走神経反射が起きるのはどんな時?
注射などの痛みにより生じることは上述した通りです。
その他には長時間立位を続けている時
夏場を中心とした暑い時期の運動
極度の恐怖感や緊張感
と、言った状況でも生じえます。
それほど珍しくない情況の一つに
重度の便秘症の患者さんに浣腸をしたところ
一気に排便が生じて血管迷走神経反射が
生じることがあります。
子供の頃始業式などで気持ち悪くなって
座り込んでしまう女の子がいましたが、
こういった状況も血管迷走神経反射に該当します。
血管迷走神経反射を予防するには?
日常の診療でも一定数の患者さんで
採血などで気分不良を訴える方はいます。
新型コロナウイルスワクチンに限らず
通常のインフルワクチンなどでも同様です。
もしこれまで注射や採血で気分が悪くなった
ことがあるならば、
注射の前日はしっかり睡眠をとること
朝食・昼食をしっかりとり
水分もしっかりとっておくこと
をお勧めいたします。
注射での血管迷走神経反射は
ちょっとした体調に関係していると思われます。
ただでさえ今回のワクチン接種は
管理が難しく、気軽にキャンセルできるような
ワクチンではありません。
参考:新型コロナワクチンの接種手順は?インフルワクチンと違いは?
ワクチン接種の折には体調管理もお願いします。
少数の医療従事者で大量のワクチン接種を行うことが
予想されます。
ぜひご協力よろしくお願い申し上げます。
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