便秘でお悩みの方はたくさんいらっしゃいます。
私の外来も3~4人に1人は
何かしらの便秘の薬を内服されています。
便秘がひどくなると
夜間救急に飛び込んでくる人もいます。
便秘がちの方は普段より水分をしっかりとり、
食物繊維を摂取して、
運動も定期的に行いましょう。
それでもダメな時は薬の助けを借りましょう。
今回は便秘薬の一つである
ラキソベロン液について述べたいと思います。
ラキソベロン液ってどんな薬?
ラキソベロンは、刺激性下剤に分類される便秘薬です。
腸の動きが悪く、便が腸管に渋滞を
起こしてしまうタイプの便秘に対して効果的です。
主には診察で腹部の音を聴診した時にお腹の動きが悪いな~、
と感じた患者さんに選択します。
ラキソベロン液は飲んでどれくらいで効いてくるの?
効果発現時間は、
一般に7時間から12時間くらいです。
個人差が大きいのでばらつきがあります。
ラキソベロン液はいつ飲めばよいのでしょう?
夕食後~寝る前の時間に内服することをお勧めしています。
朝の目覚めとともに、
もしくは朝食後に便意を催すのが
自然でとても良い習慣であると考えるからです。
ラキソベロン液はどれくらい飲めばよい?
ラキソベロン液は滴数で微調整ができる
非常に優れた薬剤です。
基本的には便秘がひどくなったときや、
ひどくなりそうなときに頓用として処方します。
ですからベースにどれくらい便秘薬が入っているか?
これまでの便秘がどの程度なのか
を問診で確認してから滴数を決めます。
初めて内服する方に関しては、
3~4滴から徐々に増やしていく形をとります。
ラキソベロン液は最大何滴まで内服しても大丈夫?
大腸検査を行う時には、
前処置としてラキソベロン液を
1本丸々内服してもらいます。
したがって1本分(150滴)内服することは可能です。
しかしながら常用することはお勧めできません。
ただでさえ刺激性下剤は繰り返し内服すると
徐々に効きにくくなることが分かっています。
15滴~20滴を上限として、
それでも便秘に苦労するようなら、
日常に内服できる便秘薬を処方してもらいましょう。
ラキソベロン液と相性の良い便秘薬って何?
便秘薬には、刺激性下剤と浸透圧性下剤の2種類があります。
ラキソベロン液が刺激性下剤に該当するので、
浸透性下剤を組み合わせるのが標準的な考え方です。
浸透性下剤の代表が酸化マグネシウムです。
マグネシウムの浸透圧で水分を便中に保持して、
便を柔らかくさせます。
腎機能に問題がなければ副作用はほぼない
と言っても過言はありません。
近年いくつかの下剤が開発され、
承認を受けています。
浸透圧性下剤と同様の働きが期待でき、
酸化マグネシウムと異なり
腎機能の心配をしなくても良い薬剤に
アミティーザという薬があります。
個人的にはよく使用する薬です。
便秘薬は薬局でも購入できる薬もたくさんあり、
病院を受診せずに自己判断で対処されている方も
たくさんいらっしゃいます。
ただ薬局で購入できる薬の大半は
屯用での使用が基本の薬剤が多いです。
もし、常用する薬が希望であれば
内科を受診されることをお勧めします。
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