岐阜県内で毒キノコ「ツキヨタケ」の食中毒の報告が相次いでいるとのこと。
毒キノコ「ツキヨタケ」の食中毒発生が県内で続いている。キノコによる食中毒の発生件数は岐阜県内では2016年から4年間はゼロだったが、今月に入り3件(26日時点、全てツキヨタケ)発生した。県は、確実に食用と判断できないキノコは食べたり、他人に譲ったりしないよう注意を呼び掛けている。
引用:岐阜新聞
毒性のある食物と言えば、フグも有名ですよね。でも、フグは料理法によっては食べることのできます。毒キノコってどうなんでしょう。あらかじめお断りしておきますが、決して食べてみようと思っているわけではありません。
ツキヨタケってどんなキノコ?
ツキヨタケが生えるのは、ブナやイタヤカエデの枯れ木です。生える様子は、シイタケやムキタケに非常によく似ています。そのため、間違って食べて中毒を起こします。また暗闇の中で光るところからツキヨタケと名づけられました。
ツキヨタケの毒の成分は?中毒症状は?
ツキヨタケの毒はイルジンSと呼ばれる成分です。ツキヨタケを食すると、30分~1時間後から、嘔吐、下痢、腹痛といった消化器症状が生じます。重症例では肝機能障害も生じます。
ツキヨタケ中毒の治療法は?
まずは、消化管内に残存するツキヨタケを洗浄するために胃洗浄を行います。重症例では、透析による毒性成分の排除を行います。急場をしのげば、あとは症状が安定するまで対症療法を行うことになりますが、回復には1週間から10日間かかると言われています。
ツキヨタケは料理の仕方で毒抜きできる?
まず無理だと理解しましょう。イルジンSは、熱による分解は期待できません。例えば沸騰した湯で15分加熱しても80%以上は残存します。また水溶性でもあり油溶性でもあるため、煮汁にも溶け出します。
料理して食べる毒キノコってあるの?
ベニテングダケが有名です。ベニテングダケは、マリオのクリボーみたいなやつですね。ベニテングダケは、猛毒と記載する図鑑もあれば、毒性は強くないと記載する図鑑もあります。これは人によって症状の重症度が異なるからでしょう。地方によっては、軽く火を通しただけで食べる地方もあるそうです。身近なキノコでシイタケも生だと毒があります。火を通せば毒は分解されます。
野生のキノコを中途半端な知識で口に入れるのは危険です。また毒が熱によって分解されるのかされないのか?水溶性なのか油溶性なのか?など様々な知識が必要です。決して野生のキノコを自分一人の判断で口に入れるのは止めましょう。
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