こんにちは。
企業勤めの内科医ヒロスケです。
今回は「サルコペニアとフレイル」についてです。
サルコペニアとは、
「筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下している」
状態を指します。
フレイルとは、
「加齢に伴い身体の予備能力が低下し、健康障害を生じやすくなった」
状態を指します。
いわゆる過老に伴い、虚弱になった状態が進行すると要介護状態になる可能性が高くなるため
「ロコモティブシンドローム」
となります。
参考:ロコモティブシンドロームとは?その原因は?診断はどうするの?
サルコペニアの診断基準は?
サルコペニアの診断基準は、EWGSOP(European Working Group on Sarcopenia in Older People)で定義されています。
- 低筋肉量を裏付ける証拠がある
- 低筋力
- 低身体機能を満たす
上記3点を満たすとサルコペニアの診断に至ります。
サルコペニアの原因と分類
サルコペニアの原因には、大きく分けて4つあります。
- 加齢によるもの
- 寝たきり等の不活発な生活
- 臓器障害、悪性腫瘍、炎症性疾患など
- 栄養吸収障害、食欲不振、摂食障害
日常診療の大半が高齢者が中心です。
ただ未治療のがん患者さんも見ることはあります。
拒食症などの摂食障害が原因の時もありますね。
参考:摂食障害とは?原因は?治療方法は?父親母親はどうすればいい?
二宮和也さんの筋肉量から学ぶこと
二宮さんに限らず、俳優さんは役柄に応じて太ったり、やせたりを短期間で行う方がたくさんいます。
ダイエットも筋肉量を落とさずに脂肪だけを減量する方法を取れば問題はないのでしょうが、
通常、脂肪のみを落とすようなダイエットだと1か月に500g~1kgの減量が限界になります。
重病人の役や戦争の映画などではある意味、不健康なやせ方をしなければならないこともあるのだと想像します。
通常筋肉量は30歳を超えると年に0.5%~1.0%は減ると、言われています。
この筋肉量の低下スピードが、ある時二宮さんは2%も低下していたそうです。
役柄もあるかもしれませんが、日常生活も不健康な生活を送っていると自白していましたので、それも関係するのでしょう。
サルコペニアの予防には?
若い頃よりサルコペニアを疑われるような筋肉量の低下を起こさないために大切なことは
「運動」と「食事生活」
です。
サルコペニア予防に効く運動とは?
簡単なところから始めましょう。
ストレッチ
寝る前に1分程度で良いのでストレッチを行いましょう。
肩・腰・膝と痛みのない範囲でゆっくりと行いましょう。
筋力トレーニング
おもり負荷をかけたほうが効率は良いのですが、まずは自重トレーニングです。
スクワットが効果的です。
椅子に座るように、お尻だけを落とします。
バランス運動
バランス運動は体幹筋をきたえます。
バランスボールがお勧めですが、家になければ片脚立ちの1分を左右で繰り返すだけでも効果的です。
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持久力トレーニング
ずばりウォーキングです。
腕を曲げてしっかり振りながら一日10分~15分から始めましょう。
慣れてきたら30分行い、1日1万歩をつづけましょう。
ウォーキングの姿勢のポイントは肩甲骨です。
腕を振る時には肩甲骨を意識してください。
肩甲骨からしっかりと腕を振るようにしましょう。
肩甲骨を振ることで肩こりにも効果があります。
また習慣にすることが大切です。
ウォーキングを習慣化するには、毎日5分でも良いので続けてください。
雨が降っても毎日です。
経験上2か月は続けないと習慣化にはなりません。
2か月続けると、やらないと気持ち悪くなるようになります。
習慣化のコツについては以下の記事を参考にしてください。
参考:運動を習慣化をするコツは?モチベーション維持が苦手な人へ。
サルコペニアに効く食事生活
無理なダイエットはサルコペニアの元です。
太りたくないという方は炭水化物ではなく、たんぱく質を中心に献立を考えましょう。
食べる量については、以下の記事を参考にしてください。
参考:ロコモティブシンドロームの予防・食事編:どれだけ食べればよい?
まだまだ若いと思っていても30歳を超えると筋肉は落ちます。
筋肉を落とさないように食生活に意識を向け運動を定期的に行いましょう。
最後にサルコペニアの原因には
飲酒と喫煙
があります。お気を付けください。
また運動不足は生活習慣病のもとです。
健診受診に間が空いている方は受診をお勧めいたします。
「病院が嫌い」
「病院に行く時間がない」
なんて方は、「おうちでドック」の利用をお勧めいたします。
「おうちでドック」の検査内容を知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
参考:自宅で人間ドックを【内科専門医推奨】。検査でわかることは?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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