リスミーが爪水虫薬に混入?眠剤とイトリゾールの併用の恐怖!

時事問題
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水虫・白癬の薬であるイトリゾールに眠剤であるリスミーが混入していたという衝撃的なニュースがあります。眠剤の影響により交通事故が起き死者も出ている模様。今後の詳細情報から目が離せません。

爪水虫などの治療薬に睡眠導入剤の成分が混入した問題で、製造した小林化工(福井県あわら市)は11日、服用して入院中の1人が10日に死亡したと発表した。性別や年齢などについては現時点で公表できないとしている。同社によると、1錠に混入した睡眠導入剤の成分は5ミリグラムで、通常の睡眠導入剤の最大投与量の2・5倍にあたるという。

引用:朝日新聞

イトリゾールの用法用量は?

足や爪の水虫だと1日1回1錠~2錠を内服します。したがって、リスミーの投与量は5.0倍にも及んでいた可能性が高いです。内臓真菌症に至っては、4錠~8錠を必要とします。すると20倍ものリスミーが混入していた可能性があります。またイトリゾールの内服は大半の患者さんが朝食後直後になります。一日中寝向かっても不思議はありません。

イトリゾールの効果持続期間は?

眠剤には睡眠導入時に働く薬と、睡眠を維持する薬、その中間の薬があります。リスミーは中間の薬に位置します。内服後の最高血中濃度に至る時間は平均で3時間です。したがって6時間程度は効果があると考えることができます。

イトリゾールとリスミーは併用しても良いの?

イトリゾールは他の薬の代謝に影響を及ぼすことで有名な薬です。代謝経路にCYP3A4を関与するというだけで、併用できない薬が沢山あります。実はリスミーもCYP3A4が代謝に関与しています。つまり、通常よりもリスミーが代謝されにくい状態となっていた可能性があります。ただでさえ通常用量よりも多くの薬剤が投与されていたにもかかわらず、さらに代謝経路に影響があり、血中濃度が高くなり、効果持続感も通常以下となっていたと思われます。

眠剤の眠気は努力で無くせる?

私は患者さんに眠剤の効果について説明するとき、電灯のスイッチを例えます。眠剤は眠るうえで意識のスイッチを切ります。したがって突然意識がなくなるがごとく眠りにつきます。眠剤の眠気にあらがうのは不可能です。したがって自動車の運転などはもってのほかです。意識していても対抗できないのですから、眠剤を内服しているとは気づかない人は無抵抗でしょう。

今回の事件は、製造した小林化工に全ての責任があります。会社としてどう責任をとるのかについても詳細を確認したいと思います。

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