イグザレルトで納豆禁から解放?抗凝固効果が弱くならないワケ。

心房細動
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心房細動の治療のためにワルファリン内服治療からイグザレルト内服治療に変更したときに得られるメリットの一つとして、ワルファリンでは厳格に禁止されてた食べ物が食べれるようになる点です。代表は納豆です。

1.ワルファリン内服中は納豆禁であるワケ

ワルファリンの抗凝固作用は、ビタミンKの活性を抑えることで得られます。つまりワルファリンを内服中にビタミンKを大量に摂取するとワルファリンの効果を打ち消してしまいます。ビタミンKは脂溶性ビタミンで、緑色野菜に多く含まれます。また人体の中でも腸内細菌が産生しています。納豆に含まれる納豆菌も、腸内細菌と同様に腸の中でビタミンKを産生します。ビタミンKの働きをワルファリンで抑えても、納豆を摂取することで大量のビタミンKを吸収してしまうとワルファリンの効果はなくなりますよね。

2.イグザレルトの抗凝固作用は?

血栓の形成にはフィブリンが余分に作られ、作られたフィブリン網に赤血球や血小板が絡みつくことで始まります。フィブリンの元はフィブリノゲンです。フィブリノゲンはトロンビンという物質によって活性化してフィブリンに変化します。トロンビンの元はプロトロンビンです。プロトロンビンはXa因子(10番因子)という因子によってトロンビンに変化します。イグザレルトはこのXa因子を抑制します。

出典:イグザレルト適正使用ガイド

ちなみにビタミンKが関係する凝固因子は、2番因子、7番因子、9番因子、10番因子と言われており、ワルファリンの投与によりこれらの凝固因子が抑制された結果、抗凝固薬としての薬効を得られるのです。

3.イグザレルトは納豆を食べても大丈夫なワケ

イグザレルトはビタミンKを介することなく、抗凝固作用を発揮していることがご理解できたと思います。またクロレラなどのサプリメントをご希望の方も内服は可能です。サプリメントではセイヨウオトギリソウを含むサプリメントは、イグザレルトの効果を減弱させる可能性がありますので、ご注意ください。

4.イグザレルト投与開始前に納豆を食べると良いワケ

これまでワルファリンを内服しており、ある日を境にイグザレルトに変更するときには、ワルファリンの効果が減弱しているのを確認してからイグザレルトに変更することになっています。まずは主治医の指示に従ってください。その上で、イグザレルトの内服を開始する直前の食事に納豆を加えて置けば、ワルファリンの効果を減弱させルことができるため、安全面では優れた方法であろうと考えます。もしワルファリンからの切りかえ時に出血の副作用がご心配な方は実践してください。ただし、あくまでも主治医の指示に従っていることが前提ですので、くれぐれも自己判断で開始しないようにしてください。

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