結核の感染経路は?看護・介護者が気をつける点は?

結核
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結核の集団感染が注目されていますが、感染経路はどういったルートなのでしょうか?また集団感染が起きるリスクの高い老人ホームなどの社会施設における看護師や介護士はどういった点に気をつけているのでしょうか?集団生活における結核の予防は、日常生活においても利用価値がありますので、お付き合いください。

1.結核の感染経路は?

結核は空気感染です。患者が咳などで排出した結核菌を吸い込むことで感染します。では結核菌はどの程度空気中に浮遊しているのでしょうか?結核菌は、患者から喀出されて飛沫核となった後, 30分程度は空気中を漂うことができることが知られています。したがって患者が咳をしていてもしていなくても30分は浮遊しているので、結核患者は特別な部屋に隔離する必要があり、医療従事者はN95マスクの着用が求められるのです。

2.患者が付けるマスクはサージカルマスク?N95マスク?

結核菌は、咳などで患者から喀出された飛抹核(微小な水滴がついている状態)が蒸発した後、空気中に浮遊します。浮遊した結核菌が肺胞にまで到達することで肺結核になります。つまり結核菌を含む飛沫が空気中に拡散しなければ感染力は落ちますので、患者自身はサージカルマスクでも十分感染拡大予防になります。N95マスクは空気中に浮遊している微小な菌を吸い込むことを防ぐためのものであり、吐き出す結核菌をとどめることを目的としたものではありません。患者にN95マスクをつけさせる家族や医療スタッフがたまにいますが、患者にはサージカルマスクを与えるのが正解です。

3.集団生活で結核の集団感染を予防するためには?看護・介護者が気をつける点は?

以上より結核患者が感染を拡大させるのを予防するにはサージカルマスクでも十分な効果が得られることは分かります。つまり、結核を疑う患者さんはまずサージカルマスクの装着を促す。そのうえで濃厚接触者となるスタッフはN95マスクを装着し、速やかに病院を受診してください。

4.結核を疑う症状は?

代表は長引く咳嗽です。2週間を超える場合には胸部レントゲンを必ず確認しなければいけません。肺結核の代表的な症状である血痰が認めたときには既に感染は進んでいます。感染が進むということは、咳嗽を通してかなりの結核菌をまき散らしています。つまり集団感染が発生している可能性が非常に高いということです。また37.5度程度の微熱が2週間以上続く場合にも結核を強く疑います。

結核を疑ったときにはまず自分を守ることは大切なことです。逃げ出す必要はないので、落ち着いて患者にサージカルマスクをつけ、自身はN95マスクをつけて速やかにかかりつけの医師にレントゲンを確認してもらいましょう。医療従事者以外の方も同様に患者にはサージカルマスクをつけるように促し、病院に連れていきましょう。ここで大切なのは、咳が止まらないので診察をしてほしいと必ず病院に伝えてください。私であれば診察前に胸部レントゲンを確認して、もし肺結核が否定できない場合には速やかに隔離したうえで診察を行います。病院内での集団感染を予防する処置として必要な処置です。

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