アデュカヌマブの薬価はいくらになる?高額治療が必要?

認知症

 エーザイは8日、米バイオ医薬品大手バイオジェンと共同開発しているアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」について、米食品医薬品局(FDA)への新薬承認申請が完了したと発表した。アルツハイマー病は現在、有効な治療薬がなく、アデュカヌマブが承認されれば世界初となる。

引用:時事通信

薬剤の一般名に「マブ(mab)」が着く薬剤は、モノクローナル抗体製剤(monoclonal antibody)であることを示しています。抗体製剤はこれまでの経験上非常に高価な薬剤になるのですが、アデュカヌマブの薬価はどれくらいになるのでしょうか?個人的な考えですが、あまり高い薬価はつかないと思っています。薬価の付け方と並行してその理由を述べます。

1.薬価ってどうやって決めるの?

薬価の決め方ですが、まずは類似品の有無から判断されます。類似品がある場合には類似品と比較して極端な薬価の差をつけないように算定されます。類似品と比較して何が優れているのか?どう違うのか?なども薬価を算定する上で重要なファクターとなります。類似品の定義は①効能効果②薬理作用③投与形態、剤型区分、剤型や用法を見て判断します。類似品がない場合には、原材料費、製造経費等の積み上げによって計算されます。適応症が希少疾患として認められた場合には、さらに薬価は加算されます。海外ですでに販売されている場合には、海外価格との乖離をなくすために調整を行います。簡単に言うと以上の内容ですが、新薬申請から承認、薬価の決定にかけては製薬企業はPMDA、厚労省をあの手この手でできるだけ高い薬価を得るために交渉を続けます。個人的には高ければいいとも思えないのですが、中々上層部を説得するまでには至りません。

2.抗体製剤の薬価が高値になる理由は?

薬価が高くなる理由にはいくつかあります。現在わが国で販売され、売り上げが上位の薬剤は、リウマチとがんを適応症としている薬剤が占めます。その理由はやはり従来の薬剤と比較して治療効果が大きく上回るからです。高い有効性を示す薬剤には高い薬価が付けられます。また抗体製剤は、他の薬剤と比較して生産に手間がかかります。抗体製剤は動物培養細胞で生産されるます。培養細胞を増やす培地や培養設備も高価な設備となります。また、抗体は高分子量で複雑な構造であり、さらに糖鎖が付加しています。これは精製や規格分析等が複雑になることを意味してます。ある程度の薬価が付かないと売れば売るほど赤字になりかねないということです。

3.「アデュカヌマブ」の薬価が高くならないと思う理由

確かに精製するのに手間がかかり、原材料費などは高価になります。しかしながら、その効果にまず疑問があります。本剤の臨床試験は効果が見込めないと一旦中止になったことがあります。その後患者対象を絞って、投与量を増やすことで効果を確認しました。絞った対象は「解析によって、効果を認めないと判断され治験から脱落した早期アルツハイマー病患者さん」です。脱落した症例に再度用量を増して投与して効果を確認ってのはちょっと強引すぎると思いますし、リウマチやがんに使用されているような抗体製剤の効果が期待できるとは思えません。またアルツハイマー病の患者さんは日本には400万人以上います。決して希少疾患ではありません。そういった患者さんを対象とした薬剤を高価な薬価を付けるとは思えません。もし高い薬価を付けることになるのであれば、使用対象患者が非常に狭められるはずです。例えば若年性アルツハイマー病患者(年齢制限)ですね。

以上より、アデュカヌマブの薬価が高値になる可能性は低いと考えます。少なくとも抗リウマチ薬のヒュミラやアクテムラよりも高価になるとは思えません。

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