アドエアの副作用の動悸ってなぜ起きるの?危険な症状なの?

呼吸器疾患
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アドエアは、気管支喘息と慢性閉塞性肺疾患に適応症を取得している吸入薬です。アドエアは、吸入ステロイド(ICS)と長時間作用型吸入β2刺激薬(LABA)の合剤です。β2刺激薬は、心臓の脈拍に影響を与える効果があります。したがって用法用量を超える過量投与を行うと頻脈、動悸を生じる可能性があります。しかしあくまでも投与量を大きく越えなければ、危険な重篤な副作用にはなりませんので、心配なされなくても大丈夫です。

1.アドエアの副作用に動悸は報告されている?

アドエアの添付文書を確認すると、「その他の副作用」の頻度1%未満に心悸亢進や不整脈の記載があります。したがって副作用としての報告はなされています。またβ2刺激薬の薬効を考えると動悸が起きる可能性を否定することは困難です。経皮吸収型のβ2刺激薬であるツロブテロールテープとは異なり、アドエアのLABAの薬効の大半は気管支だけに限定されます。経皮剤はどうしても一旦血流に薬剤をのせるために動悸は生じやすくなります。

2.アドエアで動悸が生じる理由は?

β2刺激薬は上述のように心臓の脈拍数に影響を及ぼします。β2刺激薬の投与により交感神経が優位となり、脈拍が亢進します。

3.アドエアの副作用である動悸に危険性はないの?

基本的には大きな問題にはならないと考えます。根拠としては、用法用量を大きく超えない限り動悸が起きる可能性は非常に低いと言えるからです。また報告されている副作用としての動悸のほぼすべてが危険性が低い非重篤であると考えられるからです。なぜ非重篤と分かるのか?それは添付文書の記載の場所が「その他の副作用」にあるからです。あまり知られてはいませんが、添付文書のルールに、重篤な副作用の注意喚起は、「重大な副作用」に記載しなくてはならなく、重篤な副作用とは言えないものの、注意喚起が必要と考えられる副作用は、「その他の副作用」に記載されることになっています。アドエアが販売開始になったのは2007年です。それ以降多くの副作用が企業やPMDAに報告されています。にもかかわらず心悸亢進は「その他の副作用」に記載されているのみです。

4.アドエアを使用中に動悸を感じたら?

上述しましたように、アドエアでも動悸が生じる可能性はあります。ただ重篤な副作用になる可能性は非常に低いです。当日は使用を控え、安静にして後日改めて主治医と相談しても間に合うと考えます。時々見かける患者さんですが、アドエアを使用しながら、ツロブテロールテープを張っている方がいます。流石に動悸を感じても不思議はありません。主治医はツロブテロールテープを中止したつもりが、家に残っていたツロブテロールテープを使用しているパターンです。この記事を見て、もしLABAを含んだ吸入薬とツロブテロールテープを使用している方は速やかにツロブテロールテープは剥がしましょう。

LABAが世に出る前は、β2刺激薬は貼付剤であるツロブテロールと短時間作用型吸入β2刺激薬(SABA)であるメプチンだけでした。ツロブテロールは血流に薬剤が乗るので動悸頻度は上がります。またメプチンは発作のたびに使用する患者さんがおり、日ごろのコントロール不良のためSABAの使用が過量となり、動悸を生じる患者さんもいました。LABAの登場により、ツロブテロールもSABAも出番はぐっと減りました。未だにSABAを頻用されている患者さんは正常時のコントロールが不良な方が大半です。主治医とよく相談して投薬の内容の変更をするか、もしくは定期的な薬剤の使用(アドヒアランス)の改善に努めましょう。

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