秋の花粉症の代表「ブタクサ」。例年は9月末には終わるはずが、今年は残暑の影響で長引いています。例年は2~3週間程度で自然と花粉もなくなり、特に治療をすることなく軽快していた花粉症の患者さんが病院に来るようになりました。特に気になるのが「咳」です。
新型コロナウイルス感染のために、熱はなくとも咳をしていると周りに冷たい目線が・・・・。なんてことをおっしゃって来院される方も多いですね。
秋の花粉症の特徴については、先日ブログにアップしたので、関連記事からチェックしてください。今回はブタクサ花粉症について取り上げたいと思います。
1.ブタクサ花粉症の特徴は?
ブタクサは秋の花です。この時期になると毎年風邪をひくとか、鼻炎になるとか、と言った症状に身に覚えのある方は、ブタクサ花粉症の可能性は十分にあり得ます。ブタクサ花粉症とスギやヒノキ花粉症の違いは何?と問われたら、私は花粉の飛散範囲と答えます。ブタクサの花粉の飛散範囲は数十メートルから数百メートルです。昨日草抜きをしてから、昨日ハイキングに行ってから、昨日子供と公園に行ってから、といった症状の発現時期が分かるとブタクサを強く疑います。ブタクサは、通常空き地、河原、公園などに生息しています。
こんなやつです。
ブタクサ(引用:EVERGREEN ホームページ)
2.ブタクサ花粉症の治療薬は?
花粉症の治療薬は、春でも秋でも変わりません。抗ヒスタミン剤が第一選択です。抗ヒスタミン剤のみでは効果が得られない場合には、抗ロイコトリエン拮抗剤やステロイドの鼻注薬を追加します。
3.ブタクサ花粉症で咳が止まらない時の治療法は?
時に咳が止まらないといった患者さんがいます。考えなければいけないのは、蓄膿症が原因で出る咳と、花粉が気道・気管を刺激しているのかを区別することです。蓄膿症になっている場合には、去痰剤と抗生剤の内服が必要です。やや治療期間が長くなることを理解していただく必要があります。後者は、まずは花粉症の治療と同様に抗ヒスタミン剤と抗ロイコトリエン拮抗剤を投与します。ただこの2剤でも効果が不十分な方がいます。そういった方には喘息と同様の治療を行います。吸入ステロイドです。蓄膿症と気道過敏による咳の違いは、鼻水・鼻づまりです。不思議なんですが、気道過敏による咳が出る方は鼻炎症状が比較的軽度な方が多い印象があります。
新型コロナウイルス感染の影響でちょっとした咳でも気になる方が増えています。基本的には無投薬でも改善するのであれば、薬なんて飲まないに越したことはありません。ただ必要な時には躊躇する必要はないでしょう。内服薬でも咳が止まりにくい方は吸入ステロイド試してみる価値はあります。
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