気象病の症状で、動悸で悩んでいる方へ。漢方薬は何がお勧め?

気象病
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気象病は、気候や気圧の変化によって様々な症状が出現する疾患です。

今回は様々な症状の中から「動悸」について考えてみたいと思います。

 

こんにちは。

企業勤めの内科医ヒロスケです。

今回は「気象病における動悸」についてです。

気象病で動悸ってなぜ起きるの?

一言で「動悸」と言ってもその原因は様々で、種類も様々です。

心配のいらない心因性のものから、直接生命を脅かす危険な心疾患まで、その重篤性も様々です。

ですので、もし動悸を感じるが、病院には行ったことがないという人は、まずは検査を受けてください。

特になかなか止まらない、頻回に起きるといった場合は早めの受診をお勧めします。

その上で心配の要らない動悸・不整脈であったことを確認してから、記事の続きを確認してください。

気象病の主な原因は、自律神経が不安定になっていることから起因することは前回のブログで述べました。

したがって動悸の原因も自律神経の異常となります。

一般的なストレス性の自律神経失調症や原因不明の重度の自律神経失調症でも動悸や不整脈は珍しい症状ではありません。

気象病が原因の動悸に対しての漢方薬って何?

動悸を主訴とした気象病を診たときに、よく処方する漢方薬は「苓桂朮甘湯(りゅうけいじゅつかんとう)です。添付文書の記載では、

効能又は効果/用法及び用量

めまい、ふらつきがあり、または動悸があり尿量が減少するものの次の諸症
神経質、ノイローゼ、めまい、動悸、息切れ、頭痛

とあります。

漢方薬の処方時のルールとして、患者の証を考慮するとあります。

この証とは、体質や症状のことを指します。

体質とは、頑健な人・中等度の人・虚弱な人と別れます。

本剤は比較的「虚弱」な方を対象とした薬剤です。

苓桂朮甘湯って副作用はないの?

副作用はあります。

どんな薬でも副作用はあります。

漢方薬でも同様です。

ただ他の化学化合物による薬剤より投与量に比較して安全域が広いだけです。

代表的な副作用は、本剤に含まれている「甘草」という成分による、血中のカリウムの低下です。

血中カリウム値が低下するとそれだけで不整脈の発症リスクが上がります。

また体の力が入りにくくなるミオパチーという症状も有名です。

気象病の動悸って薬なしで何とかならない?

まずは投薬なしで対応するのが理想ですね。

前回も述べました等に自律神経の安定化のために普段の生活からできる事をしてほしいと思います。

その上で動悸が起きたときの対応として覚えておいて損がないのが、以下の対応となります。

  • 深呼吸:動悸は交感神経が優位になっていることで生じます。深呼吸をすることで副交感神経を働かせましょう。
  • バルサルバ手法:深呼吸を数回しての治まらない時には、もう一回深呼吸をします。ここでのポイントはお腹が膨れるほどに息を吸うことです。そして、口を閉じたまま、お腹にぐっと力を入れます。お腹に力を入れて、顔が真っ赤になるほどに力を入れます。すると動悸が治まることがあります。一度でダメでも数回繰り返してみてください。

頸動脈マッサージや眼球圧迫法は副作用の観点から最近は推奨されません。

お気を付けください。

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