気胸の症状の背中の痛みはなぜ起きる?診断への手掛かりは?

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気胸の症状で、もっともよく聞く症状は胸~背中にかけての痛みと息苦しさです。若いやせ型の男性でこのような訴えを聞くと気胸かな~?って考えて、胸部レントゲンを撮影して、時間が許せば胸部CTを撮影します。

1.気胸を起こすと背中・胸が痛いのはなぜ?

気胸に限った話ではないのですが、肺に痛みの神経はありません。時々肺が痛いと訴える患者さんがいますが、肺は痛くないんです。でも、気胸の時は痛いんです。なんででしょう?肺が胸壁から離れて縮む時に、それにつれて胸膜も縮みます。胸膜には痛みの神経がありますので、胸膜の神経を刺激して痛みを感じると言われています。肺がある程度縮み動かなくなると痛みは治まるので、気が付かない方もいます。

2.気胸を疑うときの特徴は?

気胸はやせ型の若い男性に起きることが多いです。したがって胸の痛みや息苦しさを訴えて救急外来を受診した若い男性はまず気胸から疑われます。もちろん高齢者でも起きえます。気胸の原因がブラであることは、関連記事を見ていただければお分かりになると思いますが、ブラは自然にできるものと、タバコによってできるものがあります。ヘビースモーカーの方や喫煙歴が長い方も気胸を疑うときの情報では重要です。女性に関しては、定期的に気胸になるというのが特徴ですね。若い女性では月経随伴性気胸という疾患があります。

3.気胸の検査所見は?

気胸は胸部レントゲンと胸部CTで診断がつきます。胸腔と肺の間に空間を見つければ良いのです。と、簡単に言いますが、胸部レントゲンを見慣れない人は、医師でも軽度の気胸は見落とすことがあります。

引用:慶応義塾大学医学部胸部外科ホームページ

ここまで、気胸が進展してれば見落とす可能性はないでしょう。患者さんもかなり苦しく、救急外来に至急処置を行う必要があります。

引用:医療法人 原三信病院 ホームページ

ちょっと研修医の先生方にもメッセージ。これくらいも見落とさないでほしいですね。普段から胸部レントゲンを見る時に中心から端まで血管影を見る癖を持ってください。そうすれば見落とすことはないです。大切なのは、いつも同じ順序で同じ見方をすることです。ちょっと脱線しましたが、気胸は右肺です。血管影が無くなっています。軽度のこのくらいの気胸だと患者さんは痛みはあるけど呼吸困難感はそれほどではないかもしれません。そうすると時間的な余裕はあるので、胸部CTを確認しましょう。CTを撮れば一目瞭然です。

引用:医療法人 原三信病院 ホームページ

若年者の胸部痛、背部痛は原因が限定されます。したがって内科医・外科医であれば見落とす可能性はないと思います。軽度の気胸だと初めにズキッとしてからは大丈夫な場合もあります。息苦しさが続くようなら、病院を受診してください。肺の一部がつぶれていない程度の気胸であれば、安静で自然回復する可能性はありますが、一部がつぶれている場合には、広げてあげないと後遺症が残る可能性もあります。

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