大阪市北区で起きたビル火災を昼休みにテレビで見てびっくりしました。
放火の疑いも!?
実際心療内科のクリニックが火元となるとは、日常診療で火が出るとは思えません。
私がニュースを見た段階では27名の心肺停止の方がいるとか。
一人でも多くの方が回復されることを心よりお祈りしています。
こんにちは。
製薬企業医師のヒロスケです。
続報で重症の方の大半が熱傷ではなく、一酸化炭素中毒が原因だそうです。
一酸化炭素中毒の治療は、通常の人工呼吸器ではなく、高気圧酸素療法が必要になります。
大阪であっても27名の一酸化炭素中毒の患者さんを収納できるだけ高気圧酸素療法の設備のある病院があるのか?
ちょっと調べてみました。
一酸化炭素中毒とは?
不完全燃焼により生じる一酸化炭素。
一酸化炭素は血液中のヘモグロビンと強く結合します。
本来酸素と結合して、酸素を体中に運搬することを目的とするヘモグロビンが役に立たなくなります。
結果、全身が低酸素状態となります。
普通の低酸素状態と異なるのは、血流は維持されているので顔色に問題はありません。
密閉空間で木炭を使ったり、空気の入れ替えをせずに暖房器具を使用し続けることで一酸化炭素中毒は生じます。
毎年冬場のキャンプでテントの中で暖を取るために木炭を燃やして一酸化炭素中毒を起こしお亡くなりなる方がいます。
これから冬のキャンプを楽しもうとされている方は十分に注意してください。
換気ができていると思っていても、気がついたら頭痛やめまいが生じ、一酸化炭素中毒だったという例もあります。
冬キャンプに一酸化炭素チェッカーは必須です。
|
一酸化炭素中毒の治療は?
速やかにヘモグロビンに結合した一酸化炭素を解離する必要があります。
そのためには、高気圧酸素療法が必要になります。
出典:松原徳洲会病院ホームページ
気圧を上げつつ酸素を投与することで、ヘモグロビンと結合した一酸化炭素を酸素に切り替えさせます。
高気圧酸素療法ってどこの病院にもあるの?
高気圧酸素療法の機械を設置している病院は少数です。
東京で約20施設ほど、神奈川で9施設。
近畿では大阪では4病院、京都で4病院、兵庫で3病院。
かつて炭鉱があった地方では比較的多い印象がありますが、県によっては0施設のところもあります。
ちなみに大阪だと、大阪労災病院、松原徳洲会病院、日本橋病院、石切生喜病院が確認できた施設です。
ビル火災などで心肺停止状態となった患者さんを搬送するのは、3次救命救急対応施設です。
しかし3次救急病院には必ずしも高気圧酸素療法の設備を有しているとは限りません。
今回のような特殊な事故、事件に対応できるシステムを整えるのは非常に難しいですね。
コメント