骨髄異形成症候群(MDS)について続けます。
MDSは骨髄中の血液幹細胞の異常により発症します。
一言でいえばそれだけなんですが、
病状と遺伝子異常により6種(WHO分類2017)に分類されます。
また原因も特発性から抗がん剤による2次性のものまであります。
今回は抗ガン剤による2次性MDSについてです。
2次性MDSについて市川團十郎さんが思い出されます。
抗がん剤による2次性MDSが生じるワケ
抗がん剤と一言で言っても
その種類は多岐にわたります。
現在は分子標的薬や免疫療法もありますが
ここでは殺細胞性抗がん剤を中心にお話します。
殺細胞性抗がん剤は古くからあるタイプの抗がん剤です。
がん細胞が分裂増殖するときに影響を及ぼし
がん細胞を殺すように設計されています。
大きく分けると
- アルキル化剤
- 白金製剤
- 代謝拮抗剤
- トポイソメラーゼ阻害剤
- 微小管阻害剤
- 抗腫瘍性抗生物質
の6種に分類されます。
この中で腫瘍のDNAに傷をつけることで
抗腫瘍効果を期待する薬剤である
アルキル化剤・抗腫瘍性抗生物質は
正常細胞のDNAにも傷をつけることがあり
その結果2次がんを発症する可能性があります。
とはいうものの2次がんの発症のリスクは
抗がん剤の治療を終えて完治した人の中の
1~3%程度と言われています。
決して高いリスクとは言えないと思います。
特に白血病の治療後に生じる2次がんでは
骨髄異形成症候群が多い傾向があります。
治療関連MDSの発症頻度は?
治療関連のMDSの多くは自家移植後に生じると言われています。
その発症率は5%程度と言われています。
発症のリスク因子には、
- 治療薬にアルキル化剤が含まれている
- 治療が長期間におよぶ
- 移植前に放射線照射が行われる
と言ったことが挙げられます。
市川團十郎さんが2次性MDSだったと思われるわけ
市川團十郎さんの病歴をおさらいしましょう
- 2004年に急性前骨髄性白血病を発症し、化学療法で一旦寛解を得る。
- 2005年に再発し、大量化学療法による自家移植を施行し、再寛解を得る。
- 2008年に骨髄異形成症候群を発症し、兄弟間の骨髄移植を施行。
- 2013年に肺炎で永眠される。
2004年の治療にはイダルビシンもしくはダウノルビシンといった
アンスラサイクリン系抗がん剤(抗腫瘍性抗生物質)が投与されているはずです。
その後の再発で自家移植を実施しており、
2次性MDSのリスクとしては非常に高い経過だったことが伺われます。
2次がんがフォーカスされるようになったのは
初回の癌の根治率が高くなったことを意味しています。
かつては不治の病と称された癌も
種類によっては根治が期待できるようになったため
時間の経過によって生じる2次性の疾患がフォーカスされます。
医学の進歩は無限に続く終わらない道であることを
改めて考えさせる疾患でもあります。
がんの治療は一つ終わっても次が出てくる
そんな夢も希望もない状況に陥るリスクがあります。
やっぱり保険って大切ですよね。
こういった機会に保険を見直すもの良いと思います。
関連記事
・代理ミュンヒハウゼン症候群って何?海老蔵さんが疑われてる?
・骨髄異形成症候群とは?輸血治療にかかる費用ってどれくらい?
人間ドックを定期的に受診していますか?
どんな病気でも早期発見・早期治療が基本です。
なかなか病院に行く時間が取れない方は
自宅で簡単に検査が可能なキット
「おうちでドック」
をお勧めいたします。
検査で異常を指摘されたら保険診療で追加検査が可能です。
コメント