先日息子と社会の宿題を一緒にしているところに出てきました
「排他的経済水域(EEZ:Exclusive Economic Zone)」。
子供向けの説明には、
「1970年代より世界の国々で自分の国の近くの海に関する権利を求める動きが出たことで、国連海洋法条約に基づき、沿岸から200カイリ(海里)までの水域の魚や地下資源を自国のものとしました。」
と記載されています。
これ自体は明快な説明であり、疑問はありません。
テストにでるのもせいぜい
「200カイリ」と「国連海洋法条約」
といった単語くらいです。
でも、せっかくですから、
ここから日本が置かれている周辺国との問題点などを洗い出して、
さらに深く子供のための教育につなげてみたいと思います。
排他的経済水域の200カイリって何キロメートル?
1カイリは1852mです。
したがって200カイリは約370キロメートルです。
排他的経済水域が隣国と重なったらどうなるの?
排他的経済水域が沿岸から200キロメートルだと、
隣国である韓国と明らかに重なります。
九州沿岸から韓国までは200キロメートルもありません。
そうなると排他的経済水域はどう設定するのでしょうか?
国連海洋法条約には、
重なった部分は当事国同士で話し合って境界を決めるよう
と、なっています。
しかしながら、EEZを得ることは
経済的な資源の開発権利の優先権を得ることに繋がります。
となると、話し合いなどで決まるはずもなく、
ほとんどの場合それぞれの国が
異なる境界線の根拠を主張して対立しています。
日本も韓国、中国、台湾、ロシアと境界の画定で対立しています。
排他的経済水域と領海、接続水域、公海ってどう違うの?
まず、領海は引き潮時の海岸線から12カイリまで、
接続水域は24カイリまでです。
領海はいわば国土と同様であり、
漁業の権利、石油や天然ガスなどの資源の独占権があり、
領域は許可なく他国の船は入れません。
入った場合には自国の法律に則って取り締まりができます。
ただし、沿岸国の平和や秩序、安全を害しない限り、
自由に通行できる「無害通航権」は認められています。
接続水域は、国境にあたる区域ですので、
領海内への不法侵入や銃器・密輸などの取締等の必要な規制は行えます。
公海は、どこの国のものでもない海を指します。
つまりEEZ外の海を指している考えます。
尖閣諸島を中国に奪われると、日本の損失はどの程度?
社会の教科書には北方領土のみならず、
尖閣諸島や竹島の問題も記載されています。
例えばEEZの観点から尖閣諸島を奪われるとどうなるのでしょう?
尖閣諸島は中国沿岸からは330キロメートル離れており、
本来中国のEEZにも含まれていません。
にもかかわらず中国公船がたびたび侵入してきているのは
ご存じの方も多いでしょう。
尖閣諸島を中国に奪われるということは
尖閣諸島を起点とした200カイリのEEZも奪われる可能性が
高いということです。
たかが無人島と言っていいわけではありません。
引用:海上保安庁ホームページ
尖閣諸島の周辺の海底には
豊富な地下資源が眠っていると言われています。
両国のEEZが重なっているため、
かつて両国が話し合いによって中間線を決めました。
しかしながら中国は一方的に無視を決め込み
勝手に資源の開発を始めています。
それだけでなく、尖閣諸島の領有権まで主張しています。
EEZを含む国家の領有権というものは、
隣国との関係なしで説明できるものではないと思います。
学校でどの程度詳細に教えてくれているのか分かりませんが、
この辺りを掘り下げて説明してくれる先生がいてくれると心強いのですが・・・。
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