癌の治療を行う上で、患者さんからもよく質問される内容の一つに「治療の効果が実感できるのは何時くらいからですか?」というものがあります。患者さんによっては、癌による症状で苦しい思いをしている方もたくさんいます。そういった患者さんにとっては、抗がん剤の治療で症状が楽になることを期待して治療を受けます。だからこういった質問は非常に切実な思いが込められていると思っています。
実感出来る時期は、対象疾患や薬の種類によって様々ではありますが、今回はオプジーボを例にとってご説明いたします。
効果を実感できる時期の指標について
癌による症状の消失を図る指標は残念ながら臨床試験では計測していません。しかしながら参考になるデータはあります。Time to ResponseとObjective Response Rateの二つのデータを参考にしましょう。
Time to Response(TTR)とは?
TTRは治療を開始から効果発現までの期間を示します。厳密には若干の違いはありますが、大まかな意味をご理解いただけば結構です。要するに抗がん剤治療を開始してから、効果が認められるまでの期間となります。
Objective Response Rate(ORR)とは?
化学療法でどの程度効果を示しています。例えばORRが50%であれば、効果を認める患者さんは50%であるという意味です。ORRを確認したら、各患者さんがどの程度の効果を認めたのかを確認します。試験のデータでは、CR・PR・SD・PDといった記載がなされています。
- CRは腫瘍がほぼ消失している。
- PRは面積が50%以上縮小している(*腫瘍によって定義が異なります)。
- SDはほぼ変化なし。
- PDは効果なく腫瘍が増悪している。
一般にORRは、CRとPRが得られた症例数の割合を示しています。
オプジーボの癌別の効果は?
オプジーボは、2020年12月現在9種類のがん種の適応を持っています。代表的な腫瘍の効果を確認しましょう。オプジーボはヤーボイとの併用で用いられることもありますが、ここでは単剤での効果を抽出しています。極力国内症例の解析を優先していますが、中には解析結果が発表されていないため、海外症例のデータと合わせたデータになっている数値も含まれます。
がん種 | TTR(中央値) | ORR(%) |
悪性黒色腫 | 1.54か月 | 29.2 |
非小細胞肺がん(扁平上皮がん/非扁平上皮癌) | 81日/42.0日 | 25.7/19.7 |
胃がん | 1.61か月 | 11.2 |
結腸・直腸がん | 2.71か月 | 31.1 |
食道がん | 2.63か月 | 20.3 |
腎細胞がん | 3.52か月 | 43.2 |
ホジキンリンパ腫 | 1.84か月 | 75.0 |
頭頚部癌 | 2.0か月 | 22.4 |
悪性胸膜中皮腫 | 2.63か月 | 29.4 |
*癌種別に記載していますが、一言に癌といっても患者ごとに様々な特徴を持っており、患者ごとに効果の出方は異なります。また化学療法を初めて行う患者さんもいれば治療後に再発した患者さんもいます。あくまでも参考としてお読みください。
癌の特徴については以下の参考記事を確認ください。
参照:キイトルーダがお勧め?あなたの肺腺癌のタイプは?その効果は?
同じ薬であっても癌種によって効果の認め方は様々です。癌種によっては抗がん剤の選択肢は複数に及ぶことがあります。その時に何を目的に治療を選択するのか?などは主治医とよく相談の上決めましょう。不安・不満があるときにはセカンドオピニオンを利用しましょう。これをお読みの患者さんがベストの治療選択に出会えることをお祈りしております。
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