チャドクガ皮膚炎って?治療はどうすればいいの?

皮膚炎
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この時期になると原因不明の湿疹を主訴に病院に来られる方がいます。患者さんの気持ちも分からないことはないですが、湿疹の範囲が広いほど内科疾患の除外を優先して、内科を受診される方が多い気がします。皮膚に病変が現れているのですから、やっぱり皮膚科を受診してもらいたいのですが・・・。この時期によく見る皮膚病変の一定数が「チャドクガ皮膚炎」です。

1.チャドクガってどんな虫?

チャドクガは、ツバキなどの樹木(ツバキ科のチャ、ツバキ、サザンカなど)に発生します。迷惑なことに、ふ化→幼虫→サナギ→成虫のサイクルを1年に2回も繰り返します。1回目の発生時期が4~6月で、2回目の発生時期が8~9月です。

引用:YAMA HACK ホームページ

2.チャクドガ皮膚炎ってどんな症状?

赤くて小さな発疹が大量に出現します。そして非常に痒いです。

引用:NHKホームページ

3.チャドクガ皮膚炎ってどこで罹るの?

チャドクガの幼虫はツバキなどの樹木にいるので、そういった樹木を避ければ大丈夫な気がしますが、チャドクガの毛はとても軽くて、風に飛ばされてくることがあります。風で飛ばされてきた毛でも発疹の原因となります。幼虫1匹につき約数十万本の毒針毛が、毒の中にはヒスタミンなどが含まれています。

4.チャドクガ皮膚炎の治療は?

蕁麻疹全般に言えるのですが、基本的はかきむしることはお勧めしません。感染の危険性が増します。チャドクガ皮膚炎に関しては、かきむしることで毒が周りに広がり、かえって痒みも悪化します。まずはしっかり流水で洗うこと。表面に毒針毛らしきものを認めた時には、粘着テープで毒針を除去しましょう。痒みの程度にもよりますが、基本的には抗ヒスタミン剤を含む軟膏で対処すればよいと思います。

5.蕁麻疹とチャドクガ皮膚炎の鑑別はどうするの?

最初の話に戻りますが、内科が内科疾患として対応する皮膚炎は、基本的には体幹(胸・腹・背中)に出現している場合が多いです。例えば薬の副作用や食べ物アレルギーで出現する蕁麻疹の大半は体幹に出現します。したがって腕・手・首・足など外の空気に直接触れる皮膚に出現した湿疹は接触した何かが原因と考えます。わかりやすい例はシャツの袖で湿疹と正常部の境界がはっきりしている場合などは、高確率で接触性の皮膚炎です。その上でチャドクガの毛の有無などを確かめます。毛に直接触れるとこっちも湿疹が出る場合があるので、手袋が必要です。

お庭にツバキを植えられているお宅は、この時期にはチャドクガの幼虫の有無を確認してください。発見した場合には早急に駆除されることをお勧めいたします。またキャンプを始めとしたアウトドアでは、チャドクガ皮膚炎を始めとする接触性皮膚炎の原因となる虫や植物がいっぱいいます。あらかじめ抗ヒスタミン薬を含んだかゆみ止めの軟膏を準備しておくことは大切なことです。

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