2020年8月1日、やっと梅雨が明けました。そして猛暑がやってきます。毎年ここから熱中症の患者さんを診察することになるのですが、とにかく水分補給を忘れないでください。熱中症の患者さんの診察をしていると必ず聞かれる質問は
- 水分補給は何が良いですか?
- どれくらい飲めばいいですか・
の二つです。水分の種類に関しては、やっぱり水が一番です。ただ運動や労働によって汗を多量にかく人については塩分も必要になりますので、適度にスポーツ飲料も必要です。しかしメインは水でしょう。水単体を飲むのが苦手な方もいますので、そういった方には麦茶をお勧めします。
1.水分補給に麦茶が良い理由は?
水分補給に麦茶が良い理由は、麦茶はカフェインを含んでおらず、ミネラルが豊富だからです。カフェインは利用作用があると言われます。後述しますが、カフェインの利尿効果は脱水症を引き起こすほどの力があるわけではありません。ただ脱水症になるリスクのある人は避けたほうが無難です。したがって麦茶はスポーツ時の水分補給としてもおすすめできます。麦茶の元である大麦にはカラダを冷やし、血液の流れをよくする効果があるといわれています。暑くなった体をクールダウンし、かつ疲労回復にも役に立ちそうですよね。
2.水分補給に適さない飲み物は?
夏場の水分補給には適さない飲み物があります。代表はビール。アルコールは利尿作用があるので、飲んでも飲んでも脱水になります。熱中症の予防にはなりません。暑い日の喉の渇きを癒すビールは最高ですが、一杯目を楽しんだら、その後は必ず同量もしくはそれ以上の水を飲んでくださいね。利尿作用を持つ飲み物はビール以外にカフェインを含む緑茶、コーヒー、紅茶などがあげられます。ただこれらの飲み物は脱水症になっているときに飲むのは適しませんが、脱水になっていないのであればそれらを飲むことで脱水になるほどの効力は持っていません。したがってビールのように緑茶を飲んだら水を飲まなければならないといったことにはなりません。
3.水分補給は一日どれくらいとったほうが良いの?
欧米の研究結果では、水の必要摂取量の目安は日中ほとんど活動しない集団であっても 1日2.3リットルから2.5 リットル程度を必要とし、活動レベルの高い集団では1日3.3リットルから3.5 リットル程度と考えられました。食事からの水分摂取は1.0L程度あると言われていますので、その差分1.5L~2.5L位が水分補給に必要な量と言われています。その量を基本として、活動時に喉が渇いたと感じる手前には定期的に水分補給を心掛けましょう。喉が渇いたと感じた時点で既に脱水症は始まっています。
ここ数年の夏の暑さは異常です。しかしこの異常が平常になりつつあります。水分補給を忘れずに脱水症から熱中症にならないように気をつけてください。特に小さな子供のいるお父さんお母さんは気をつけてください。
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