製薬企業に転職して得たもの失ったもの。生活はどう変わった?

医師のキャリア形成

こんにちは。

企業勤めの内科医ヒロスケです。

今回は「製薬企業に転職して得たもの失ったもの」についてです。

 

病院における医師の勤務条件は非常に特殊です。

世の中が「働き方改革」を提唱しているにもかかわらず、医師という職業の特殊性に注目され、当直や日直など、その他の職業と比べるとやはり職務時間は非常に長くなるのは周知のことでしょう。

自分が当たり前の労働条件で働くことにむしろいたたまれない気持ちになったことを覚えています。

製薬企業に転職して得たもの

私は転職時の給与条件は前職と最低限変わらない給与をお願いしました。

従って給与の面では得たものは、転職の直後はありません。

しかしお金の面では明らかに異なる点がありました。

そして、最も大きな得たものはやはり時間です。

転職して得たお金

医師も含めて多くの人が知らない事実として、医師は退職金が少ないです。

何故なら多くの医師が医局の都合により職場を複数回変更します。

退職金は一つの職場で長く勤めないとたまりません。

また、退職金の積立金は基本給に応じて決められます。

この基本給は、一般職の方と変わりません。

大半の病院は、基本給に「医師手当」という名目で給与をかさ上げしています。

従って月々の退職金の積み立ては一般職の方と変わりません。

その上で2~3年で病院を代わっていると退職金は積立金の1/2や1/3に減額する会社が大半ですので、退職金はたまるわけがありません。

しかし、製薬企業に就職するとこのシステムが一変します。

確定拠出年金」です。

このシステムは

確定拠出年金(DC)とは、加入者ごとに拠出された掛金を加入者自らが運用し、その運用結果に基づいて給付額が決定される年金制度です。掛金額(=拠出額)が決められている(=Defined Contribution)ことから、確定拠出年金(DC)と呼ばれています。また、「掛金建て年金」とも言われます。

引用:企業年金連合会ホームページ

です。

この制度の最大のメリットは。確定拠出年金を制度に加入している企業間であれば、年金の積み立ては持ち越せるという点です。

もちろん病院によってはこの確定拠出年金制度に加入している病院もあると思います。

しかし医師のキャリアの中ですべての勤め先が確定拠出年金制度に加入しているということは中々難しいと思います。

例えば公立病院では採用していません。

もちろん個人型確定拠出年金(iDeco)もありますが、企業型だと積立金は税金や社会保険の対象外となるためやはりお得です。

 

転職で得た時間

先に言っておきますが、企業に転職したからと言って9時~5時の生活になるわけではありません。

グローバル企業だと時差の関係より、早朝深夜の会議が設定されることは決して珍しくありません。

治験の開始前、承認申請前、承認取得直前など非常に忙しい時期には夜中まで仕事をしていることはあります。

深夜まで仕事をした翌日は朝寝坊をしてから出勤すると言った柔軟性はあります。

今やほとんどの会社がフレックスタイムでの勤務となっていますし、COVID19のためにリモートワークを実践している企業がほとんどでしょう。

週末に関しては、新薬の承認や治験の開始時にイベントが設定されることがあります。

その場合には土曜日、日曜日でも仕事があります。

ただ臨床開発だと年に1回あるかないか、くらいの頻度です。

メディカルアフェアーズだと月一あっても不思議はないと思います。

 

当直、呼び出し、待機はありません。

夜間の緊急連絡も新薬申請や販売直後とかでない限り心配はありません。

結局のところ時間の余裕というよりは、予定が組みやすくなると言った点が最大のメリットだと思います。

週末に子供と遊ぶ、連休にお出かけをする、運動会の応援に行く

そういった子供との時間が飛躍的に増えたことが私にとっては最大のメリットです。

転職して失ったもの

やはり患者を診る機会を失ったことが大きいです。

製薬企業内にいても勉強は必要です。

担当分野においては臨床試験の結果などは自社製品でなくとも知っておく必要があります。

病院勤めだと勉強した内容をそのまま患者さんに使用するので、勉強へのモチベーションが違います。

勉強そのものに喜びを得ることができないと企業で働くことは難しいかもしれませんね。

私は病院を止める時は、燃え尽き症候群になっていたので、あまり感じていませんでしたが、やはり患者さんが回復していく姿にモチベーションをもらっていたのだと後になって気づきました。

そういったモチベーションは企業内では得られる機会はなくなります。

 

総じて失ったものは何か?

と問われると、「患者さんからもらうモチベーション」となると思います。

製薬企業に転職した後に再度病院勤めに戻る医師がいるのは、これが原因だと思っています。

やっぱり患者さんを診たい、というのは医師として当然の気持ちなんだと思います。

ただその点については企業によっては、非常勤勤務を許容してくれる会社もあります。

この点は入職時のネゴシエーションによると思います。

 

生活はどう変わった?

生活習慣が安定しました。

当直、呼び出し、待機がないので当たり前と言えば当たり前ですよね。

深夜に会議が設定される日を除けば、就寝時間、起床時間がいつも同じです。

健康のために早朝にジョギングをするようになりました。

転職してからジョギングができないくらい体調を崩したのは、先日息子からCOVID19を感染されたくらい。

ちょっとした風邪にかかることはありますが、非常に軽症です。

もう転職して10年を超えますが、病欠は一日もありません(COVID19感染時はリモートワークで症状は軽症)。

とにかく健康になったことは間違いありません。

規則正しい生活が体に良いことは感じています。

 

子供との時間が取れるようになりました。

PTAのクラス委員も経験しました。

半日有給休暇を利用することで、対応することは可能でした。

 

趣味の時間が取れるようになりました。

趣味はジョギングと釣り。

ジョギングは毎朝。

釣りは子供の習い事がお休みであれば一緒に行っています。

 

私は週に一日非常勤で外来をしています。

安定した生活をするようになり、心に余裕ができたためだと思いますが、患者に優しく接することができるようになりました。

患者の我儘に傾聴できるようになりました。

高齢者の世間話にも笑顔で対応できるようになりました。

勤務医の頃は次々を降ってくる業務にイライラし、患者に優しくなれませんでした。

全ては自分の心の余裕の問題であったんだと今は理解しています。

 

もしあなたが製薬企業に興味があるなら、直接ご相談に乗ることは可能です。

時間が中々都合がつかない場合がありますが、何かお聞きになりたいことがあれば、Twitterで直接メッセージをください。

週末や祝日を除けば24時間以内にお返事をいたします。

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